ほぼ30代からの”仕事に活かせる”心理学

職場の人とうまく関われない問題とその処方箋

悩む女性

「職場の人とうまく関われない問題」とその処方箋

職場の人とうまく関われないと悩む女性

「職場の人とうまく関われずに悩んでいます」

「つい相手が私のことをどう思っているだろうか、と詮索ばかり。いつもどっと疲れます」

「本当に自分の仕事ぶりで十分なのだろうか、と気にしてしまいます」

「職場の人にヘルプを求められずにいます。つい迷惑だろうと思ってしまって声がかけられないんです」

「転職や新しい部署への異動のたびに胃が痛くなります・・・」

「職場に苦手な人がいて、そばにいるだけでしんどいです」

このような職場の対人関係にまつわるご相談をお受けすることも稀じゃありません。

職場の対人関係の問題って、自分の「食い扶持」だとか「自己実現」に関わるテーマであることには違いないわけですよね。

いわば、職場でどのように人と関わるかで、ある程度日常の質が決まる部分があるんですよね。

また、当たり前の話なんですけど

職場の人間関係って、友人や家族、パートナーのように近い関係ではないからこそ、割り切れることも多い反面

「下手に関わって痛い思いをしたくない」

なんて思う人も少なくないようです。

ただ、

「職場の人とうまく関われない」とか

「職場の人の目が気になる」といったお悩みって

相手が私をどう見ているか、ばかり気にされている方が多いんですが

「今の自分自身が他人とどう関わろうとしているか」といった、自分自身の関わり方が悩みを作っている場合が多いものなんです。

そこで今回は「職場の人の目が気になってしまう」をテーマにコラムをまとめたいと思います。

よろしければどうぞ。

職場の人とうまく関われない理由

職場の人とうまく関われない理由の多くが

「実は自分自身が、悪意なく(自覚なく)職場の人を遠ざけようとしている(良い存在だと扱っていない)」

という部分にあることが多いです。

平たく言えば

自分が相手を悪者とか、自分に対する批判者として認識しているので、近づけなくなっている

ということですね。

ここでのポイントは「悪意なく・自覚なく」という部分にあるのです。

要は

「職場の人を悪く思いたくないという意識がありながら、しかし気が付かないところで相手を悪く見ている」

という部分が問題を作っている、という考え方です。

これは一つの「投影の作用」と言えると僕は思いますよ。

「職場の人は私のことをどう思っているのか?」という不安を見つめていくと・・・

「職場の人は私のことをどう思っているのだろうか」

そんな風に、職場の人の目を気にしてしまうタイプの方がいらっしゃいます。

このタイプの方は、決して対人関係のトラブルを望んでいるわけではなく、むしろ穏便に、難なく人と関われればこれ幸い、なんて思っておられる方が少なくありません。

だから、積極的に相手を悪く思いたくなっているわけでもなく

「あの人さ、マジでキモくない?」と陰口を叩くタイプでもない方が多いです。

ただ、こう考えてみると、どう思いますか?

例えば、職場の人達が私のことを

「仕事ができないとか思われているのではないだろうか」
「足を引っ張られているとか思っていないだろうか」
「うぜぇとか思われているんじゃないだろうか」
「私はいつもあまり話さないから、相手に変な人だと思われているんじゃないだろうか」

このとき、私は職場の人をどのような存在として扱っているでしょうか。

少なくとも、いい人、と認識しているわけではなさそうですよね。

これが「悪意なく(自覚なく)職場の人を遠ざけようとしている」ということそのものなのです。

まぁ多かれ少なかれ、悪意なく人を警戒してしまうことはある、という話なんですけどね。

ただ、あまりに職場の人に対する警戒心が強くなると

「あぁきっと相手はこちらのことをよく思っていないに違いない」

なんて感じやすくなるんです。

逆に、相手がこちらを警戒していないと認識しているのに、こちらが相手を警戒するなんてことは(特殊なケースを除いて)起きないことですしね。

職場の人とうまく関われない人の特徴とは

では、どのような人が職場の人とうまく関われないと感じやすいのでしょうか?

いくつかのタイプに分けてご紹介したいと思います。

傷つきたくないという気持ちが強い

どこか対人関係で「傷つきたくない」と感じやすい、繊細でナイーブな心を持っているタイプの人。

他人が放った言葉にふと傷つくことが多かったり、他人の機嫌で自分の気持ちが揺れてしまう、なんてことが起きやすいかもしれません。

また、実際にいじめやいじわるなどの経験があると

「もうあんな思いだけはしたくない」と必死に自分を守ろうとするで、人に対して好意的になる前に、バリアを張ってしまい、警戒する態度を示してしまうことも多いようです。

「自分は自分でええやん」となぜか思えずにいる

このタイプの人は

「本当の自分を知られるのが恥ずかしい」
「こんなことを言ったら馬鹿にされるのでは」

などと考えることが多いんですね。

つまり、他人に自分を知られることが怖いんです。

それは「自分は自分でええやん」と感じられず、自分を良くない存在だと認識しているからこそ起きること、ともいえます。

場合によっては

「あまりよくない存在である私を他人に近づけたら迷惑だし、相手は怒るに違いない」

なんて考えてしまう人もいらっしゃるようです。

信頼できる相手かどうか見極めたい

これは「人間関係を慎重に扱いたい」と考えるタイプです。

普段から、何事も自分の頭でよくよく考えて納得しないとダメ、なんてタイプの方に多いですね。

逆に言えば、行き当たりばったり、出たとこ勝負は嫌だってことなんですが。

それは対人関係においても同じで、相手の話や行動をよく観察して「信頼できる物であるかどうか」などを見極めようとしているのです。

ただ、自分自身の感覚を信じている部分も強いので、一度信頼するとそれが続きますし、逆に言えば「信じなくていいことまで信じてしまう」なんて場合も出てくるようです。

ま、これは職場の人間関係より、恋愛や結婚生活でのお悩みとして登場することが多い要素かな、と思いますけどね。

そもそも新しい人間関係が苦手

また、個人の特徴として「新しい人間関係が苦手だ」と感じやすい人がいます。

これはいい悪いという話ではなく

「そういった特徴を持っている人がいますよ」という話です。

この場合は「上手に自分を理解し、自分の特徴とうまく折り合いをつけていく」なんて発想が求められることが多いですね。

逆に、新しい人間関係を好んだり、苦にしない人と自分を比較しても、あまり効果がないかも、というケースでもあります。

そういった人を学びとして「真似すること」はいいんですが、比較対象とすると結構凹むかもしれません。

他にもいくつかの可能性が考えられます

また、ここに挙げた理由以外にも、いくつかの可能性が考えられます。

ちょっとツッコんだ話をすれば

「父親との関係・父親に対するイメージがめちゃ悪い」とか

「兄弟や友達(同世代)との関係があまり良くなかった」

なんてケースがそれに当たります。

職場の対人関係って、目上の人、同僚、後輩、といった

「縦のつながり」

なんですよね。

これは、親や歳が離れている兄弟(先生など)、友達や歳の近い兄弟、後輩・歳の下の兄弟、との「縦のつながり」とリンクする場合があるんです。

だから、自分が苦手にしている人間関係がどのあたりにあるのか、を見つめていくと

その根っこにある観念がみえてくることもあります。

が、ちょっと難しい話なので、これはカウンセリングの中で扱わせていただきたいお話ではあります。

「職場の人とうまく関われない問題」の処方箋

さて、最後に

「職場の人とうまく関われない問題」の処方箋について考えていきますね。

どうすれば職場の人とうまく関われるようになるのか、についてまとめてみます。

自分自身が周囲を批判的に見ていることに気づく

「自分自身が周囲を批判的に見ていることに気づく」。

ここができるかできないかで、随分と気持ちの有り様は変わってきます。

全く悪意がないにせよ、周囲の人を批判的に捉えると

「いつか自分はきっと責められる、罰される、うぜぇとか思われる」

と自分で思い込んでしまうことも起こるのです。

なので、ここは善悪判断を横において

「うーん、もしかして私が職場の人を良くない存在だと思ってんじゃないかなー」

と、自分を責めるというより、「気づくこと」がオススメではあります。

本当に表現したいことに気づく

で、そこに素直になれたら

「でもさ、私って職場の人にどんな風に関わりたいんだっけ?相手にどんな気分になってもらいたいと思ってるんだろう?」

ぐらい考えて、できる範囲で行動してみることがおすすめです。

例えば、気持ちの良い挨拶をするとか、いつも笑顔で「お疲れ様です〜」と言えるようになっておくとか。

僕たちにとって何が辛いかって

「自分の真意、本当に表現したいことを表現できない自分であり続けること」

なんですよ。

だからこそ、「自分が本当に表現したいことは何?」と考えていくことが得策だと僕は思います。

逆に、「職場の人の受け入れてほしい」という気持ちが悪いわけではないけれど、そこが強くなればなるほど「自分を表現すること」ができなくなるので、要注意ですね。

場合によっては「ペルソナペインティング」もあり

ただ

「その話の意味は分かるけどさー、本当に表現したいことを表現できたら悩まないよ」

なんてお声も伺ったことがないわけではないんです、僕も。

たしかにそうだよなー、と思う僕がいないわけでもないんです。

そんな時は「ペルソナペインティング」という方法を使ってもいいかもしれません。

これは「自分ではない別の誰かになる」ということですね。

例えば、職場の人に関わろうとすると不安が出るときに「私は笑顔が素敵なビジネスパーソン!」なんて演じてみるんです。

すると、不安や怖れがある程度低減されることもありますし、気持ちが軽くなることもありますよね。

ただ、あまりに演じることに依存しすぎると自分のことがよくわからなくなるので、そこはバランスよく、って感じになると思いますけどね。

それでも「難しい」と思うときは、自分を整えるとき

ただ、それでもなかなか難しいと思うときは、まず先に自分自身の気持ちを整えるとき、とも言えるかもしれませんね。

例えば、

このようなお悩みを抱えてる方の中には

過去になんらかの「人から責められる、否定されるような経験」を何度もされている方がいます。

また、信頼している人に裏切られたとか、自分自身を批判されてばかりで評価してもらえなかった、といった、いわば心の痛みを抱えている場合もあるでしょう。

そのような過去の経験が、今、人を警戒する理由になっている事も有り得る話です。

だから、実際に職場が自分を受容していることや、職場の人の中には自分を肯定的に見ている人がいても、そこがうまく実感できないんですよね。

そんなときは、自分の気持ちを信頼できる誰かに話すとか、自分の体験や気持ちを共有できる人や場所を持つなど、自分を整えることを優先してみてくださいね。

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