ほぼ30代からの”仕事に活かせる”心理学

疲れているのに休まない人の心理

デスクでふさぎ込む女性

疲れている人ほど休まないって本当?

  疲れているのに休めない女性

「最近仕事が忙しくて疲れているんです。でも休めないんですよね。」

これ、かなりの確率で仕事や家事に頑張られている方からお聞きすることです。

一方で

「最近忙しかったのでちょっと休もうって思います。また頑張るために。」

そうおっしゃってくださる方は、お忙しい様子も、疲れているご様子も伺いしれますけれど、完全に疲れ切っているような印象を受けないことが多いです。

これ、一体何が違うんでしょう?

実は

「疲れている人ほど休まないようになる」

そんな心理状態もあるんですよね。

そこで今日は「疲れているのに休まない人の心理」についてコラムにしたいと思います。

よろしければどうぞ。

疲れているのに休まない人の心理を解説する

「疲れているのに休まない人」の心理特徴は、「義務感」「役割意識」「責任感」などが強く存在することです。

いわば「自分は〇〇すべき」「果たすべき責任がある」という「べき思考」が存在していると言いかえることもできます。

このとき、自分が疲れを感じていくほど

「自分が果たすべき義務、役割、責任を果たせなくなるのではないか」

といった不安を感じるようになるのです。

その結果「疲れていけば疲れていくほど、休もうとしなくなる」のです。

逆に、現状、あまり疲れを感じていないのであれば

「今の自分ならしっかり義務や責任を果たせる」と自分を信頼できるので

「多少休んでもいいか」と思いやすくなるのです。

これは非常に矛盾した話のように聞こえるかもしれませんが

「義務感」「役割意識」「責任感」などが強い人ほど

たいして疲れていないときなら休めるけれど、疲れているときほど休めなくなるという、不思議なことが起きるわけですね。

疲れているのに休まない人の深層心理には「正しさ」が存在する

疲れているのに休まず自分の正しさを優先する女性

さて、「疲れるほど休まない人」の深層心理を丁寧に見つめていくと、

「義務感」「役割意識」「責任感」にこだわり続けて手放せない状態

が見えてくることが多いですね。

いわば、義務を果たすこと、役割を全うすること、責任を果たすことに「絶対的な正しさ」を感じている状態ともいえます。

それゆえに

「どれだけ疲れていても正しいことを続けていないと不安にかられる」

なんて心理状態に陥る人も少なくないんです。

例えば

  • 自分の職責を全うできなくなることが怖い
  • 自分が果たすべき責任を果たせないと人からの信頼をすべて失う
  • 妻として、夫として、親としての役割が果たせない自分を申し訳なく思う

そんな風に感じてしまうのです。

特に、自分の絶対的な正しさにこだわり続ける人ほど

「疲れていること」はただの言いわけであり、義務や責任などを果たせない自分に問題があると認識してしまうことが多いようです。

いわば、自分を責めているわけですね。

これは自立されている方に多い

「自分や誰かの幸せよりも、自分の価値観や正しさにこだわってしまう」

という心理状態を示していることが多いんです。

だから

「疲れている(自分が幸せじゃない)けれど、休まない(自分の正しさにこだわる)」

という状態が続くというわけですね。

※自分の正しさにこだわってしまう心理についての詳しい解説は次のページの「競争の心理」にありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

心理学講座のシンボル
自立と依存 〜心の成長プロセスの解説〜自立と依存 〜心の成長プロセス〜 「自立と依存」とは、「今の自分の心の状態を示す言葉」で「自分の成長プロセスと課題を示す指標」です...

誰かの幸せのためにという行動動機は素晴らしい

もちろんこの正しさの根っこには

「誰かのために」「大切な人のために」「社会のために」

という思いが存在することが多いものですよ。

そもそも義務感、役割意識、責任感が強い人ほど、他者に負担をかけることを避けようとする方が多いもの。

もともと「誰かの幸せのためにという行動動機」を持つことができる人が多いので、そこは素晴らしい部分です。

そういった意識まで変える必要はないと思います。

 

ただ、自分が疲れているときに「自分は誰かのために頑張ってるんだよな」と思うことって難しいですよね。

例えば、自分が砂漠のキャラバンに出て水切れを起こして大変なときに、「自分は誰かのために頑張っているんだ」なんて思えないと思いません?

とりあえず生きるために、自分のために「水!」と思いません?

それと同じように

自分自身の誠実さや本当に成し遂げたい目的を実感するには

自分自身にそれなりに余裕がないと難しいこともありますよね。

ここを忘れてしまうと、疲れているのに休まないことで、さらに

「自分って十分なのだろうか」
「ちゃんと果たすべき責任を果たしているのだろうか」

といった疑いを感じることにもなりかねないのです。

疲れているのに休まない人は「プライドが高い」と誤解される?

また、「疲れているけど休まない人」って

「プライドの高い人」だと誤解される可能性が高いんです。

自分の中の正しさ、果たすべき責任にこだわることがわるいわけではないのですが、

その頑なな態度が「頑固な人」「融通がきかない人」「できないことを受け容れられない人」といった印象を周囲に与えてしまうことがあるのです(^^;

もうこうなると「泣きっ面に蜂に塩レモン塗り込んでヤスリでこする」みたいな切ない話なのですが(^^;

実際にそんな誤解を受けている方のお話も伺ったことがありますよ。

これが対人関係(職場など)でのトラブルにつながっている場合も少なくないですよ。

「疲れているのに休まない人」を卒業する方法

疲れているのに休まないを卒業した女性

さて、最後に「疲れているのに休まない人」を卒業する方法についてまとめてみます。

実はですね、「疲れているのに休まない」という状態を変えていくには、行動を変えてもあまりいい効果が見込めないことも少なくないんです。

つまり「休むと決めて休む」だけでは、「また疲れても休まない」という状態に戻ることが多いのです。

なぜなら、自分の中の正しさにこだわる気持ちやその心の態度が変わっていないからです。

なので、「疲れていても休まない」を卒業するには、自分の観念や感情を整えるというプロセスが欠かせません。

ここが「疲れているけど休まない人」と「休みたいけど休めない人」との決定的な違いなんです。

「休みたいけど休めない人」は、休むことが悪いと思って休めないのです。

だから実際に休んでみて大した問題が起きないと分かると、休めるようになりやすい。

しかし、

「疲れているけど休まない人」は、自分の価値観、義務感、役割意識、責任感で休まないのです。

だから、そこが変わらない限り、休んだところで今の価値観が変わらないので、また疲れても休まなくなるのです。

なので、疲れているのに休まない人を卒業するには、次のようなことを日常に取り入れていただくといいでしょう。

自分の価値観や正しさが示す目的を再設定しましょう

もしあなたが、義務感、役割意識、責任感などで疲れていても休まないと決めているならば。

そのあなたの価値観や態度は、一体何を実現するために存在するのかを考えてみてください。

義務や責任などを果たすことで、一体どんな未来が手に入ると感じているのかをじっくり見つめてみてほしいのです。

具体例

例えばあなたが

「妻として、夫として、親としての役割が果たせない自分を申し訳なく思うタイプ」だとしたら。

そう思うことで、あなたはどんな未来を望んだのでしょう?

妻として、夫として、親としての役割がきちんと果たせたら、どんな家族が、パートナーシップがやってくると期待したのでしょう?

・・・きっとそれは、満たされた幸せな、信頼できる家族関係、パートナーシップですよね?

燃え尽きて、苦しい関係を目指したわけじゃないですよね?

だとしたら、今この時点から「あなたが望む未来や目的」を実現するために、自分の考え方を整えてみてほしいのです。

自分が疲れていたり、潰れていては、自分の周りにいる人を幸せにできないですよね?

また、みんなの幸せを願うなら、その中に自分が入っていないと、あなた以外の人は幸せではない、と理解できるでしょうか?

それぐらい

「自分が満たされ、自分が整い、自分が幸せを実感する」ということ無しに、自分が望んだ幸せはやってこない

と理解してみてほしいのです。

その上で、今の自分がどう振る舞うことが幸せにつながるかを考えてみていただきたいのです。

これが「心を整えるために必要な考え方」です。

その上で、自分にじっくりたっぷり休息を与えていきましょう

自分の正しさが示していた、本当の目的を実現すること。

その意識が持てれば「疲れていても休まないこと」が、自分も他人も幸せにしないと理解できるはずです。

このように自分の本当の幸せ、実現したい未来を思い出してから

自分にじっくりたっぷり休息を与えていきましょう。

すると、「休むことの効果」を実感できると思います。

なぜならば

「疲れたら休むことが幸せにつながる」

「疲れたと気に休むことで自分の目的が達成できる」

と感じられるようになるからですね。

この手順を逆にすると、疲れていても休まない人のまま過ごしてしまうことが多いのです。

だからまず、あなたの価値観が示す「本当の幸せ」を考えてみていただければなと思うのです。

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