日常に使える心理学

自分の幸せを喜べない心理 〜見失った「本当の幸せ」〜

腕を組み悩む女性

自分の幸せを喜べないって本当ですか?

自分の幸せを喜べなくなった女性

「自分の幸せを喜べない、なんてことがあるんですか?」

そう聞かれれば

「うーん、あくまで人によってですが、ありえることかと思いますよ」

と僕はお答えすると思います。

人の心とは不思議なもので、悩みは「一般的に悪い出来事と認識されるもの」だけで引き起こされるわけではないのですよ。

一般的には「良い変化・出来事」と呼ばれるものでも悩みは生じるものなんですね。

その結果、「今、幸せなはずなのに」と思いながらも、なかなかその幸せを実感できず

逆に、不安、満たされない気持ち、プレッシャーや葛藤を抱えている人も少なくないのです。

そもそも「幸せなはず」「満たされているはず」など

「○○なはず」といった気持ちで居続けて、本当に幸せでしょうか。

おそらくその答えは「No」ですよね。

そこで今回は自分の幸せが喜べない人の心理についてコラムにしたいと思います。

自分の幸せを喜べない人の心理

自分の幸せを喜べず失望を怖れる女性

「自分の幸せを喜べない人」の心理として多く見られるものが

「失望への怖れ」です。

要は、幸せを期待して、実現して、喜んで、というどこか自然な気持ちの流れを持ちたくない、と感じていることが多いです。

例えば、

恋愛、婚活、結婚生活、仕事など

「幸せになるために頑張ったけれど、結果的に幸せではなくなった」

そんな実感があるならば、誰よりも自分が失望しますよね。

そんな強い失望を伴う経験をする方の中には、それ以後、「幸せごとが目の前にあっても喜べなくなる」場合が考えられるのです。

「期待」の心理とはなにか? 〜「2つの期待」について解説します〜「期待」とはなにか 「あんな人のようになれたらいいな」 「彼には優しくしてもらいたい」 「子供には幸せになってほしい」 「部下に...

また、これと類似したパターンに

「人からの期待に応えられない」というプレッシャーから、自分の幸せを喜べず、まるで責任が重くなった、果たすべき義務が増えた、と感じる人もいます。

これは「他人からの失望を怖れている」という意味になりますね。

人の期待に応えられずつらくなる心理とその処方箋人の期待が怖いのは、誰かにとって期待通りではない自分と出会うことが嫌だから。期待に応えられないと愛されない、見捨てられるという不安を感じていると、人の期待に応えないと大変なことが起きる、と思いこんでしまうもの。その結果、頑張りすぎてしまい、期待に応えることが怖くなるのですね。...

「自分の幸せを喜べない」その具体例

一つ架空のケースですが、具体例をご紹介しましょう。

彼女のお悩みは「結婚したけれどなぜか喜べない」というものでした。

念願かなってついに彼と結婚した彼女は、結婚を期に、彼女はそれまでの仕事をやめ、新居を構えました。

これから幸せな未来を描こう、と、彼女自身前向きな気持ちでいたのです。

しかし、その心の奥底に消えない不安や葛藤が拭い去られることはなかった様子でもありました。

実際に彼女が自分と向き合い始めたとき

「そもそも結婚自体にそんなに興味がなかった頃があった」ことを思い出しました。

ただ、彼女は、夫(彼)のことを嫌いなわけではありません。むしろ愛情を持っています。

彼女はあたたかい家庭を作ることを望んでいます、それは今でも。

しかし今、毎日を喜べないとしたら、それはなぜなのでしょうか・・・。

実は彼女、独身時代の生活が恋しい、そんな気持ちを抱えていたんですね。

自分の思うように時間を使い、自由に毎日を過ごす感覚もまた彼女にとってはかけがえのないものだったのです。

しかし「結婚するなら」と彼女のその気持ちは心の闇に葬り去られたわけです。

そして実際に結婚生活が始まった。

夫である彼は、きっと彼女も幸せなのだろうと考えていたことでしょう。

彼女のご両親も、彼女の友人も、結婚おめでとうとお祝いしたことでしょう。

しかし彼女の気持ちはそこで取り残されたわけです。

 

そんな彼女はとても厳格な両親に育てられたそうです。

そんな彼女はいつもどこかで

ずっと頑張り続けなければいけない。(そうしないと失望することになる)

ずっといい妻、いい母でいなければならない。(そうしないと失敗する)

そんな思いを抱えていたのでした。

自分の幸せを喜べないもう一つの理由

自分の幸せを喜べず幸せになる手段ばかり考える女性

自分の幸せが喜べないもう一つの理由があるとしたら

「幸せになる手段や方法」に過剰にエネルギーを投資していること、といえます。

これは多くの方がよくハマる罠とも言えるんですね。

もし、「幸せになること」を「旅行」に喩えるなら

「幸せになること」が目的地

「幸せになる手段や方法」が移動手段、となりますね。

もし、幸せになること(目的地に着き楽しむこと)ではなく

幸せになる手段や方法(移動手段)に過剰にこだわって考え込んでいるとしたら

幸せは実感できない(目的地に到着しない)ということになるわけです。

つまり、僕たちが幸せになるためには

「自分にとっての幸せ」と「実現する手段」の両方が必要だということなのです。

例えば、先に書いた架空の事例にある女性の話であれば

  • ずっと頑張り続けなければいけない。
  • ずっといい妻、いい母でいなければならない。
  • 独身時代の生活が恋しい。

そんな気持ちにこだわっていたから、幸せを実感できなかったというわけです。

ここで取り上げた3つの考えは、全て「幸せになるための手段」です。

それこそ「こうすれば幸せになれるはず」という考えですよね。

このように考えることが間違いだとは誰も言えないのでしょうが

しかし、そこしか見えないのであれば、幸せは実感できなくなりやすい、というわけです。

必要なのは自分の気持ちの整理や理解です

自分の本当の幸せを描く女性

このような話は、何も結婚に限ったことではありません。

仕事でも対人関係でも、これからの未来についても同じです。

  • 彼ができたのに喜べない
  • 彼や夫のことを愛しているのに、毎日楽しめない
  • せっかく転職したのに、今の仕事が楽しめない・やりがいが見いだせない
  • とてもいい就職先を見つけたのに、毎日が苦しい
  • 毎日状況としては満たされているはずなのに、喜べない

そんな思いを抱えて悩むときほど、そもそも自分が悩んでいる理由がよくわからなくなるので、自分の気持ちを心の闇に葬り去ってしまう人も多いようです。

 

だとしたら、自分の気持の整理からはじめてみてはいかがでしょう?

まずは「自分の本当の幸せ」について考えてみてほしいのです。

そして、今「その幸せに向かう手段ばかり見つめていないだろうか」と考えてみてほしいのです。

 

自分の本当の幸せを見つけたら

それを深く理解して自分に許してあげてみてください。

私は幸せに向かう!と決めてみてください。

すると、今まで見つめ続けてきた「幸せに向かう手段」が輝き始めるはずです。

そのときに「今までの自分の努力は無駄ではなかったんだよな」としみじみ実感できると思いますよ。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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