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男の人のイライラにはどのように対処したらいいでしょうか?
浅野さんへの質問
最近、3年以上付き合っている男性から、気が利かない、ファミレス行っても俺がセルフサービスの水を取りに行ってる、普通女性が取りにいくよねぇ?と私への不満を言ってきました。
確かに私はあんまり気が利かないほうだと思います。でも今になってどうしてと思ったり3年ずっと我慢してたのか、悪いことをしていたなと思ったり、複雑な気持ちを抱えていました。
そして先日、6年ほど付き合いのある男友達と居酒屋へ行ったのですが、その時も、普通サラダとか取り分けるよね、気が利かないな、とお付き合いしている男性と同じような愚痴を言われてしまいした。男友達も私が気が利かないことは十分承知なはずなのに、なぜ今さらと思ってしまいました。
全く同じような事が2度もあって、私ってダメだなぁと思って凹んでいます。男の人って、優しいからつい我慢して言わないタイプの人が多いのでしょうか?それとも仕事など私と直接関係ない所でイライラすることがあったのでしょうか?
浅野さんへの質問は、男の人のイライラにはどのように対処したらいいのか?
私が今度からサラダを取り分けるなどしても、また他の違う文句を言われそうな気がしてちょっとこわいです。びくびくしてよけいにヘマをしそうです。男性への期待にはどこまで応えたら良いですか?
ネタ募集ネーム:無花果さん
無花果さん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m
なるほど、これはちょっと気にしちゃいますね。気が利かないね、なんて言われたらね。
まぁそんなに気にしなくてもいい、ってお伝えしても気にしちゃいますよね。
まぁ、一般的に考えて、オトナって「相手のいいところ」を見て付き合おうとするでしょうから、あえて指摘はしないかなぁ、とは思います。
直接「あなたのそこ、どうなの?!」って言えるって、よっぽど親密な関係だから生まれるアドバイスか、もしくは相手の上から目線的な発言か、ただのお節介か。
男の人が優しいから我慢しているケースもあれば、そうじゃないこともあるとは思います。人それぞれってことでしょうか。
また、こういった言葉を受けたときに、こちらの受け止め方次第でその後の対応や気持ちも変わるわけですよね。
ということで、今日はご質問にお答えしつつ、いろいろ書いてみようかなと思います。
自分の価値には2つの側面があるんです
今日はご質問にお答えする前に、カウンセリングやセミナーをしていると「ん?これ、混同して考えていませんか?」と思うことがありまして、その簡単な解説から。
このブログでも自己価値を高めましょうね、なんて話が書いてあるとは思うんです。
自分には価値があると感じる気持ちを高めましょう、と。
ただ、この自分の価値ってのは一つじゃないわけですよ。
いわゆる「存在価値」と「機能や行動としての価値」とが存在する、と僕は考えています。
ここでいう存在価値とは「あなたがあなたであることに価値があるよ」のこと。
自分になんて何の価値もないんだ!という無価値感が強いと問題が起きちゃうし、辛いので、自分を大切にしましょうね、って話です。
ただ、実際、この価値だけを高めてもあまり社会や人の中で評価は受けない、いや、あなたの価値には気づいてもらえないこともあるかもしれない。
なぜなら人は「機能や行動としての価値」を見て人を評価していることが多いから。
もちろん自分自身も同じでしょう。
「自分は人に何が与えられるだろうか、どんな貢献ができるだろうか」という部分の価値によって、自分の価値(いわゆるスペックと呼ばれるもの)を判断している部分ってないでしょうか。
そしてこれは自分癒やしというより、「自分磨き」によって培われるものですね。
ただ、万が一無価値感や無力感が強くなっていると、いくら人に与え、自らの能力・機能を強化して与えられるものを増やし、その価値を作り上げても「んーそれでも自分は価値がないような気がする」と感じてしまうわけで、これもまた問題になることがあるわけですね。
ここをごっちゃにして考えるとこんがらがりますね。
恋愛で言えば、自分の素晴らしさを実感できたけれど、それを機能(与えること)として表現していないなら、あなたの素晴らしさは知ってもらえない、ってこと。
その逆に、自分の機能(与えること)は素晴らしいのに、自分の素晴らしさを実感できていないと、あなたは自分のすばらしさを感じられないということ。
まぁ僕もこの考え方に基づいて物事を見つめていますよね。
たとえば、僕のことを全く知らない人にとって、僕の価値なんて全く感じてもらえない、って思うんです。
そりゃ当たり前で、ただの日本に住んでいる、妙なブログを書いているおっさんですわ、はい(笑)
ただ、僕が微力ながら人のご相談をお受けしサポートをさせていただいて、そこに価値を見てくださっている方がいるとしたら、僕の価値は知ってもらえている、といえるわけですよね。
しかし、もし僕がめっちゃネガティヴで、どれだけ経験・実績を積んだとしても、「自分なんてたいしたことないよ」と感じていれば、まぁ何をやっても自分の価値を感じることはなく、ただ燃え尽きていくだけかもしれない、ってことです。
あなたはその人とどう向き合いたいですか?
さて、このご質問についてですが・・・
これは対処法を考える前に、無花果さんが何を怖れているのかって部分がポイントになりそうですね。
1.「男性に気が利かないよね」と言われることを怖れているのか。
2.「サラダを取り分けても結局文句を言われそう」ということを怖れているのか。
3.「そもそも私は気が利かないし」という部分で悩んでいるのか。
4.「男性の期待どう応えたらいいのか」で悩んでいるのか。
1は「気が利かないよね」と言われることで傷つく、ということを怖れているわけですね。
2は「結局失敗しちゃうんじゃないか」ということを怖れている感じ。
3は「私自身の自己価値」の話。機能ではなく自己価値のこと。
4は「どう与えればいいのか」という機能としての価値
を意味していそうですね。
まず4は最初から考えないほうがいいんじゃないかな、と僕は思います。
これ、突き詰めると「何もしなきゃ傷つかないじゃん」「結局、そんなこという男も気が利かないよね」という思いになることが多いので。
ここは後で考えましょう、と僕はオススメしたい。
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で、次。
1を考えてみましょう。
1は「これ以上傷つきたくないわ~」という思いですね。そりゃそう感じますよね。
ただ、傷つきたくないから男性に気を使い、相手の期待に応えようと思うと、なかなか続かないですよね。
心理学では補償行為だの、防衛だのいうんですけどね。自分が耐え難い気持ちになりたくないがために行う行動。
だとしたら、できれば「これ以上傷つきたくない」という思いで行動しないようにする、ってことをオススメしたいのです。
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すると、2が解決します。
たとえ失敗しても、傷つく前提で行動していないようになればこの問題は解決する。つまりビクビクする必要はなくなるってことです。
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そこで、でてくるのが3の問題。
「気が利かない私の価値」って部分です。
そもそも私は気が利かない人だって周囲はわかっているはず、なのに言われた・・・。
だとしたら、きっとあなたはすごく愛されるタイプなのかもしれません。
あなたを傷つけたくないよな、と周囲に思ってもらえるタイプと言いますか。これを気を使わせているな、と罪悪感ベースで捉えないようにしましょう。
そしていわゆる気を使うことに対しての「機能や行動の価値」はすぐ取り戻せます。
これは学べばいい。
まず、気遣いが上手な人はどう行動しているのかを見て、真似をするだけでもいいですよ。
ただ、このような問題の核はそこにあるわけではなく「動機」の問題なわけですよね。
「結局、すでに気が利かないと言われている私が気を使っても、相手は喜んでくれないんじゃないか?」
そんな気持ちがあれば、なかなか次の行動につながりませんよね。
ここではちゃんと切り分けて物事を考えてみるといいんです。
あなたが相手を喜ばせる行動をとることはきっと可能です。
あなたが行うこと、与えることの価値は、行動すれば知ってもらえます。それを受け取るかどうかは相手の問題ですよね。
ただ、もっと内面的なこと・・・自分が気を使っても相手は喜ぶのか?という思いはどうして生まれるのでしょう?
相手の意識に触れようと思ってみると?
確かに私はあんまり気が利かないほうだと思います。でも今になってどうしてと思ったり3年ずっと我慢してたのか、悪いことをしていたなと思ったり、複雑な気持ちを抱えていました。
いいか悪いかは別にして、このお話を読ませていただいて僕は
「なぜその男性は、いつもセルフサービスの水を取りに行ってたのでしょう?」
と思うんですよ。
彼の行動の機能的な価値、は水を取りに行く。
しかし、彼の思いのレベルでの価値は、どのあたりにありそうでしょうか?
まぁ、「水を取りに行くこと」にどれだけの価値を見るかは人それぞれでしょうけど、その男性はあなたに喜んでほしかった、と思っている可能性ってないでしょうか?
ここで僕が気になるのは「相手の行為にどう反応していたか」です。
別に感謝しろとか、何がいいとか悪いとか、そんな説教じみたことをいいたいわけじゃありません。
もし、彼にとってあなたは価値のある存在だとしたら。
その事実に対して、あなたはどう感じているでしょうか。
「あなたは誰かに喜んでほしいなという思いを向けられる人だ」ということを感じていてほしいな、と僕は思うのです。
また彼も、あなたに喜んでほしければ、自分を喜ばせてほしい、つまりあなたに「自分の存在を認めているよ」と感じられるような行動をしてほしかったのではないでしょうか?
これが自己価値の問題、「人からの好意を受け取れているかどうか」って部分の話です。
ここでの「気が利かない」とは、いわゆる「与える能力がない」のことを意味しているのではないと僕は思っています。
むしろ自分の価値を遠慮して評価していて、積極的に相手を喜ばせようと思えない事情(それこそ相手に関わる怖れ)を指す、と思うのです。
そうであってもあなたの価値を見る人はいますからね。
その人に対してあなたがどう反応したいか、何を与えてみたいか、そこをお決めになるといいと思います。
このように考えてくと、4の答えが出てくると思いますよ。
そもそもご質問に登場する男性2人は、あなたに無理難題を突きつけてくるタイプではなさそうですよね。
ということは、あなたができる範囲で(心から)相手を喜ばせようと行動してみる、でいいのではないでしょうか。
それがサラダを取り分けることなら、それでいいですし。
彼にありがとう、と伝えることかもしれませんし。
今度は水を率先して取りに行くことかもしれません。
この状態になれば、相手がイライラしていても優しく行動できるはず。相手のイライラに対して過剰に警戒して回避する手段を考えているわけではないので、思いは伝わりやすくなりますよ。
まぁ相手がどう反応するかは相手次第ですけど、少なからず相手のイライラを警戒して腫れ物のように触っても触らなくても、さして対応としての行動には変化がない、ってことでしょうか。
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ただ、コミュニケーションでは「自分の思い」と同じぐらい「相手の思いに反応する」ことも重要です。
そもそもパートナーシップや対人関係でトラブルになっているのは
「どうして自分のことがわからないんだ」という依存的な気持ちか
「どうして自分の気持ちを受け取ってくれないんだ」という受け取ってもらえないことへの不満か
そのどちらかが元になっていることは多いんです。
もちろん今回は批判的な意見をもらっているわけですからとても分かりにくと思いますけど、さて、あなたのお付き合いしている人は、普段から依存的な気持ちをぶつけてくる人なんでしょうか?
このあたりが相手の気持を推し量る一つの判断基準になるとは思いますよ。
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僕は話の例えとして、世阿彌の能楽論にでてくる「我見」「離見の見(離見)」という言葉をたまに使います。
我見とは、狭くなり偏った自分の視点。僕たちは「自分を見ている状態」といいますけどね。
離見の見(離見)とは、自分の姿を距離をおいて観察すること。僕なりに言い換えれば、「自分にはどんな影響力があって、相手はどう見ているのだろう」と気づくこと。
この離見の見のような意識ができると、自分が相手に与えてみたいことがわかってきます。
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ただ、ここまでの話をご覧いただいて「でも、相手に対してどうすればいい?」という方法にこだわってしまうなら、まだ自分の怖れを見ているのかもしれませんね。
まぁある意味仕方のないことではありますが、自分の怖ればかり見ていると、相手の思いを見逃します。
すると更に「気が利かない」「わかっていない」と言われてしまう可能性もあるのでちーとばかり注意してくださいませね。
もっと自分の外側に意識を向けられるように、自分の怖れを客観的に眺めて手放すようにしたり、自分の価値を見るときかもしれませんね。
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最後になりますが
僕はあなたに価値があり、魅力的な人なのだろうな、と感じていますよ。
でなければ「気が利かないよね」という言葉は飛んでこないはず。
本当に気が利かない人がいるかどうかは別にして、本当にそれが難しい人に人は期待しないものではないでしょうか。
といえども・・・まぁ、言われて気分の良くなることではありませんよね・。
だから、これ以上自分を否定的な目で見るのはストップです。別にあなたが悪いわけじゃないんです。
自分を疑えば疑うほど自分を見てしまいますからね。
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