傷ついた女性性を癒やすことは幸せになるための重要なファクターの一つ。
僕は常々そう考えているわけですが、なかなかこの女性性や男性性の概念は分かりづらいものなのかもしれませんね。
男性性と女性性の話は、「男性らしさ」「女性らしさ」という言葉で、私たちの日常に深く根付いているものとも言えます。
ただ、この話をいわゆる男らしさ、女らしさという解釈だけで考えると、ちょっと分かりにくくなってしまうのかもしれません。
また、心理的側面から見ると、「傷ついた女性性」を癒やすことは、単に過去の傷を克服するだけでなく、自己肯定感の回復、人間関係の改善、そしてより豊かな人生を送るための重要なプロセスとなります。
傷ついた女性性を癒やすことで私達は人とつながり、愛し合い、幸せを分かち合うことができるようになります。
いわゆる自立の問題、依存の問題を解決するための大切なアプローチでもあるのです。
そこで今日は「傷ついた女性性を癒やす」をテーマに解説していきます。
男性性と女性性
心の世界には「男性性」と「女性性」という概念があります。
これは、心理的・精神的な部分での「男性らしさ」や「女性らしさ」のことを指しています。
「男性性」: 積極性、競争心、理性、独立心、リーダーシップなどの特性を指す。
「女性性」: 共感性、協調性、感情表現、受容性、世話好きなどの特性を指す。
また、心理学では、男性性と女性性は、固定されたものではなく、個人が社会の中で学習し、形成していくものと考えられています。
例えば、カール・ユングは、「男性性と女性性は、一人ひとりの内に両方存在する普遍的な原型である」としました。
一般的に男性は男性性が強く、女性は女性性が強いと言われますが、どちらも人間の中に存在しており男女問わず誰しもが持っている性質なんですね。
もちろん人によりその割合は異なってくるものです。
依存心とは傷ついた女性性のことを指す
また、「僕たちが抱える依存心とは傷ついた女性性である」と言われています。
傷ついた女性性という概念は、心理学で厳密に定義されているものではありません。
しかし、一般的には、僕たちが社会生活や人間関係の中で経験する様々な困難や痛みによって、自己肯定感やアイデンティティが損なわれた状態を指す、と言えるでしょう。
傷ついた女性性の特徴
傷ついた女性性が示す特徴は以下の通りです。
- 自己肯定感の低下:自分の価値や能力を信じることができず、自信がない状態となる。
- アイデンティティの混乱:(特に女性において)自分自身の性であることに喜びを感じられず、性役割に違和感を感じる。
- 社会的な期待とのギャップ: 自分自身が社会的な役割や期待に応えられないと感じ、自己否定的な感情を抱くようになる。
- 人間関係への不安: 他者との関係を築くことに困難を感じ、孤独感や不安を抱えやすくなる。
ただ、そのような状態では社会の中で生きていけないからこそ、自立し、傷ついた女性性を抱えたまま生きていくことになる人もいるのです。
ただ、傷ついた女性性が癒やされていないままであれば、当然のごとく依存心を抱き続けることにもなるわけで、それが「依存の問題を作る」と言われているのです。
例えば、アルコールや仕事などへの強い依存の問題、恋愛における束縛や執着の問題、強い依存心や執着心を生むこともあります。
傷ついた女性性を癒やすということ
傷ついた女性性を癒やすことは、自分自身と向き合い、自己肯定感を高めるプロセスともいえます。
日常で取り組みやすい具体的な方法として、以下のようなものがあります。
- 自己理解を深めるために日記を書く:日記をつけ、自分の感情や考えを言葉にすることで、自己理解を深めることができます。
- アファメーション:毎日、肯定的な言葉を自分に語りかけることで、自己肯定感を高めていきます。
- 小さな成功を積み重ね:無理のない目標を決めて小さな成功体験を積み重ねることで、自信を深めます。
- 好きなことをする: 趣味や好きなことに没頭することで、ストレスを解消し、心の状態を良くします。
- バランスの取れた食事: 健康的な食事を心がけることで、心身のバランスを整えます。
- 十分な睡眠: 質の高い睡眠をとることで、心身を休ませます。
- 適度な運動: 運動することで、ストレスを解消し、心身をリフレッシュさせます。
- 信頼できる人に話す: 自分の気持ちを正直に話すことで、心の負担を軽減することが期待できます。
- 新しい人間関係を築く: 同じような悩みを抱えている人との交流を通して、共感を得ることができます。
- 他人との心理的な境界線を明確にする: 自分にとって何が大切なのかを明確にし、無理のない人間関係を築きます。
- 自然と触れ合う: 自然の中で過ごすことで、心が癒され、リフレッシュします。
自分の愛を見つけ、信頼するという癒やし方
ここからは少し感覚的な話になりますが、自分の愛を見つけ、信頼するという癒やし方について少しまとめておきます。
私たちの中にある「愛」とはいつも自分の中から湧き上がり、そしてすぐ流れていってしまうもの。
まさに女性性なんですね。
この女性性が傷ついたままの部分に依存が生じるわけです。
例えば、子供時代に僕たちは親のことが大好きでしたが、しかしうまく愛してもらえなかったり、その愛情を受け取ってもらえなかったとしたら傷ついてしまいます。
例えば、恋愛や結婚生活の中で、自分が差し出した愛情を相手に受け取ってもらえなかったり、否定されてしまうと傷ついてしまうこともあるでしょう。
ただ、僕たちは傷ついた女性性を抱え、その依存を誰かに満たしてもらいたいと思いながら生きることは難しいことを知っています。
だからこそ、そのままでは生きていけないから自立するのです。
いわば傷ついた女性性を嫌い、男性性を使った生き方を模索するわけですね。
ただ、カウンセリングの現場で、多くの自立のみなさんから聞く「愛」とは「正しさ」のことのようだ、と僕は思うことがありますよ。
正しさとは男性性を示すもの。
例えば、愛することは正しいことだ。
愛さなければならないと考える。
愛することが正しいとも考える。
そして、愛した結果が残らないことに失望したり、不満を持つようにもなるのです。
「こんなに頑張ったのに、愛したのになんで」と。
ここで感じる不満は、自分自身の中にある傷ついた女性性を示すものなのですよ。
そんなときはどうしたらいいかというと・・・
男性性(正しさ)を上手に使って、すぐ流れていってしまう自分の中の愛を認めてあげることなのです。
すると、傷ついた女性性が癒やされていくのです。
それこそ自分に対するご褒美であり、自分を褒めることそのものだ。
男性性と女性性は常に共存し、補完しあう関係にあるもの。
繰り返しになりますが、女性性や愛と呼ばれるものは、心の中ですぐに流れていってしまうのです。
だから、男性性を伴って認める作業をすることで、自己理解が深まります。
そして、その愛を実際に自分で実感し、信頼し、表現するすることは、自分(の女性性)に対する信頼につながるのです。
自分の感性・感覚を信じて愛すること。
このことを「自分の気持ちに素直になる」と呼ぶこともありますね。
本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。