最近、カウンセリングを含め、そこかしこで「結婚します!」というお声を伺っております。
いや、幸せな結婚にたどり着かれた方とお話すると、僕も嬉しい気分になりますし、ほんと良かったなぁと思うばかりなのです。
なんせ僕のようなお仕事をさせていただいていると、そういった方との出会いは
「私には結婚なんて無理なんです」
というお声を伺うところから始まることが多いからですね。
ただそのようなご相談をいただく方って、実は結婚に向いていないわけじゃないんですよね。
逆に、常識も良識もあり、好きな人のことはきちんと考えることができる素敵な方が少なくないのです。
ただ、パッと見、何の問題も抱えておられないように見えがちなのですが、実は内面がとても繊細で、敏感に反応しているので、恋愛や結婚などの男女関係でも心が敏感に反応してしまう。
その反応が、「好きな人と一緒にいると不安」とか「彼のことを疑っちゃう」とか「相手にどう思われているのかが気になりすぎちゃう」とか「漠然と恋愛は無理!」という状態を作っていることが少なくないんです。
そんな、いわゆる「繊細さん」のカウンセリングをさせていただくとき、僕が何より重要視することがあるんですよ。
あまりクライエントさまにも話さないことなんですけどね(^^;
今日はそのあたりの話をコラムにまとめていこうと思います。
よろしければどうぞ。
Index
繊細さんって自分のハートを開こうとしすぎている?
さて、結婚やら恋愛やらをうまく生かせる方法を探していると
「ハートを開いて相手と向き合いましょう」だとか「相手を受け入れてあげましょう」なんて話を見つけることがあるんじゃないでしょうか。
要は、自分からハートをオープンにしておけば、相手からも好意的に見られやすくなりますよ、みたいな話です。
これって、社交的な人はみんなにハートを開いている(ようにみえる)からなんだろうと僕は思うんですね。
ただ、実際僕がカウンセリングの現場でお話を伺う「繊細さん」、つまり繊細な感情の動きを見せている方のハートって別に閉じちゃいない、という場合が少なくないんですよ。
確かにあまりに繊細すぎて、どこか内向的な態度や自分の内面に意識を向けがちな方は少なくないと思います。
ただ、それって閉じている状態なのか?というと、僕には閉じているようには見えないのです。
もし、ハートを閉じているとしたら、おそらく繊細な心の動きもある程度抑え込めているはず、と僕は考えるからです。
つまり、繊細さんって自分の心を開こうとしすぎている可能性があるんですよ。
きちんとハートを閉じられるから、開くことができる
もちろん、恋愛や結婚生活の中で、パートナーにハートを開くこと自体間違っていないんですよ。
ただ、それは「きちんとハートを閉じることができる」という前提があってのことだと僕は考えます。
きちんと閉じることができるから開ける、ということ。
じゃ、このハートを閉じる、ということは何を意味しているのか?というと
「きちんと自分の価値観など内面的なものを認め、それを守る意識を持てている」
という状態を示すと僕は考えています。
自分の考え、価値観、気持ち、感情・・・
内面にあるさまざまな要素を、例えば、誰かの価値観で否定したり、自分が間違っているからと積極的に書き換えるのではなくてね。
「私はこう感じる、こう考える、こう思う」
きちんと自分で内面的な部分を守ることができている、ということ。
この状態があるから人に対してハートを開くことができるようになる、と僕は考えているんです。
つまり、いわば繊細さんのように調和的、柔和的、相手に合わせることができる人って既にハートが開いているんだけど、そのハートを更に開かないと恋愛や結婚ができないと思いこんでいる人が少なくないようなんです。
僕が知る限り、多くの繊細さんって
社交性がない(うまく人やパートナーと関われない)のではなく、過剰適応(うまく関わろうとしすぎて自分を見失っている)状態だと見ています。
イメージで例えると
心に扉があるとしたら、その扉は開いたままなんです。
その扉をさらに「ハートをオープンに!」といいながら開こうとしているような状態。
ね、なんかチグハグな感じがしません?
実際にこの状態になると不安やら苦しさを感じると思いません?
特に、心理的な癒着傾向がある方は、他人の価値観を受け入れすぎていて、自分の価値観がわからない、もしくは大した価値がないように感じる傾向があるので、その辺は要注意なんですよ。
繊細さんは他人の価値観を受け入れすぎていないかチェックしてみよう
なので、なかなか恋愛や結婚が難しい、無理っぽいと感じやすい繊細さんには
「他人の価値観を受け入れすぎていないかチェックしてみましょう」
なんてお声を書けさせてもらうことがありますし、基本僕のカウンセリングでは「あなたはあなたでええねんで」という部分を重要視します。
だから、カウンセリングにお越しいただく方に、こうお伝えすることもあります。
「日常の中で他人と対立する必要はないんですけど、他人の価値観を受け入れすぎないことも大切なことなんですよ」
もちろん、他人が自分と違う価値観を持っていることは普通です。
そして、それをコントロールすることは相当難しいことです。
でも、もし「自分にとっての心の安全」が確保できないとしたら、そりゃ不安だし苦しいんですよ。
だから、自分の価値観などはキチンを守れるようになっておくこと。
とはいえ、自分を守るために他人とケンカしてもしゃーないので、自分に意見を押し付けてくる誰かがムカつくというお話は僕が伺わせていただいて(^^;
他人の価値観などをいつも正しいと思いこんでいないか?
自分の価値観などをきちんとそれでいい、と思えるように。
そのあたりを扱わせていただくことが少なくないんですよね。
繊細すぎて結婚を諦めた彼女が結婚した理由こそ「自分を守れたこと」
さて、ここからは実際のカウンセリングを通じて
「繊細すぎて結婚を諦めた女性が結婚した理由」について少しお話したいと思います。
僕が担当させていただいてきたカウンセリングの中には
「その女性の心が繊細すぎて結婚を諦めるしかなかった」
といお話が少なからずあるのです。
もちろん詳しい個別の話は守秘義務があるので描くことは決してありませんが、要は
「異性に、パートナーに対して自分を開こうという意識を持つのはいいのだけれど、過剰適応状態になり、自分のことがよく分からなくなっていた」
なんて方が少なくないんです。
自分のことがよくわからないんだから、自分って何?と思いやすいですし、自分の強みや良さもわからないし、自分がパートナーとどんな向き合い方をしているのかもよくわかんないんです。
そんな中でパートナーと幸せになりたいと思ってがむしゃらに相手を受け入れたり、相手に合わせたり、恋愛マニュアルにあるような好かれる秘訣を実践する。
でもなんだか心が宙に浮いちゃっているような、ふわふわした、地に足がついていないような感覚が醸し出されるんですよ、そこでは。
だから、恋愛も結婚も相手次第になりやすいですし、そうしていないと関係性が保てないわけです。
そんな繊細さんにとって、恋愛や結婚でやはり難しいと感じるものになると思うんです。
それが良いとか悪いとかいう話ではなくてね。
つまり、繊細すぎて結婚を諦めた女性が結婚した理由って
「自分の価値観などをキチンを認めることができるようになった」
「自分をある意味で守ることができるようになった」
って部分が大きいんです。
自分の価値観を自分できちんと守ることができるからこそ、いたずらに他人の価値観を否定したりしない自分になれる。
これが僕がお伝えしたい、自分を守る、ハートを一旦閉じる、ということの意味なんです。
人は人の価値観で動いているものだから
そもそも僕たち人間は自分の価値観で行動しているもの。
それは自分だってそうだし、他人だって同じなんです。
他人に危害を加えたり、法律を犯すという話なら別ですけど、そもそもそれがいいかどうかなんて判断できる話じゃないんです。
ただ、相手は相手の価値観で動いているのに、自分だけ過剰適応状態になっているとしたら、そりゃ自分がめちゃくちゃしんどいですし、相手に対応できなくなっちゃうんですよね。
そんなとき、相手の価値観をも包み込める大きなハートを持てればいいでしょう、確かに。
それはそれで理想的だと僕は思いますよ。
ただ、それができるようになるためには、「自分をきちんと守れている」という部分が重要なんだと僕は考えています。
自分の価値観をまるで捨てるように、過剰適応するように、大きな愛になるだなんて、僕は不可能だと考えています。
むしろそれは自己犠牲につながるだろうとさえ思います。
過剰適応をコントロールと勘違いされる繊細さん・・・
もっと悲しい話としてよく伺うのは
繊細さんが必死になって過剰適応するかのように相手に合わせる様子を
「それってあなたがわがままで思い通りにしたいだけじゃん」
「こちらをコントロールしないでくれ」
なんて反応されてしまって傷ついたり、自分ってそんなやべーやつなのかな?と疑うことになった、なんて話。
なぜこんな反応が起きるのかといえば、相手は相手の価値観で動くことを当然のように受け入れているから。
だから、繊細さんが過剰適応する姿を、相手は「それはあなたの価値観でエゴなんでしょ」と理解する。
ね、めちゃくちゃ悲しい話でしょ、繊細さんにとって・・・。
ただ、そのように理解する相手が悪いんじゃないんです。
ただ、それぐらい人間ってのは、自分の価値観を守りながら生きている、ということがお伝えしたいのです。
だから、きちんと自分の価値観を守る意識を持つことが、上手に社会の中で生きていく一つの基礎的な要素になる可能性があるよ、とお伝えしたいのです。
その上で、愛する人にハートを開くことができるようになれば、まぁまぁ心のバランスはそんなに崩れないかもしれませんね、というお話なのです。
今日のお話が繊細なハートを持つあなたの参考になれば幸いです。
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