「私は彼と結婚したい。でも彼が結婚してくれないのです。今は考えられないと言うんです・・・。」
そんなお声から始まる「結婚しようとしない彼との関係で悩んでます問題」。
場合によっては「そんな結婚とか責任を取らない男はやめといたほうがいいよ!」というお声も飛んできそうなんですし、それもまた一つの意見としてありだと僕も思うのですけどね。
しかし、カウンセリングにお越しになる女性の皆さまにとっては、なかなかそう思えないところがおありのようです。
今の彼のこと、好きだし、愛していれば、そう簡単に「彼が結婚しない?あっそーですか、じゃ別れましょ!」とは言えないものではないでしょうか。
そんなこんなで僕のところに
「どうしたら彼が結婚に前向きになってくれるんでしょうか?」
というご相談が舞い込むことも多々あるわけでございますな。
そこで今日は「結婚したくないという彼の心理」を恋愛心理学の視点からの解説します。
加えて「どうすりゃ彼との結婚に近づいていけるのか?」についても触れていきます。
よろしければどうぞ。
Index
結婚してくれない彼の心理・3選
さて、まずは「結婚してくれない彼の心理」について解説いたしましょう。
「結婚してくれない彼の心理」を恋愛心理学的に見つめますと、次のような3つのパターンに分けて考えることができるのですね。
「深入りする男女関係を求めない」という恋愛スタイルを持っている
まずは、彼が「深入りする男女関係を求めない」という恋愛スタイルを持っている場合です。
これは、恋愛心理の中でも有名な「恋愛の色彩理論」での「ルダス」と呼ばれる恋愛スタイルを持っているタイプ、と考察することができそう。
「ルダス」な人の恋愛は、男女関係や恋愛を一つの物事、例えばゲームとかイベントごととして捉えている部分がある、とも言えますね。
また、自分の自由や楽しみを優先する傾向が強いんです。
だから、個人的な領域の話を求められたり、プライバシーを侵害されることを嫌う傾向があります。
いわば、相手とつながる安定した関係、つまり結婚をを望まない場合もありえます。
この場合は、うーん、彼の恋愛スタイルをまるっと受け入れられちゃう女性でないと、その先に進むことは難しいことも少なくないかもしれませんね・・・。
情欲を優先する恋愛スタイルを持っている
また、「情欲」(例えば、男と女の関係など)を何より優先する恋愛スタイルを持っている男性も、結婚に前向きにならないことがありますね。
これまた恋愛心理として有名な「愛の三角理論」でいうところの「夢中の愛」と呼ばれる形に当たると考えられます。
「夢中の愛(Infatuation)」とは
恋愛の初期段階におきる一目惚れなどがこれに当たります。相手との関係の中で、 親密さや責任を育むことがなく、急に冷めてしまうことがあります。
恋愛をする上でセクシャルな要素を重要視するのですが、相手との精神的なつながりや責任(ずっと一緒にいると決める意思のこと)が持てないので、結婚したくないと思う、という感じ。
このタイプの場合、彼女から結婚という言葉を出された途端に冷めちゃった、なんてケースもあるとかないとか。
この場合は、彼ともっと精神的なつながりを深めることが求められる場合も少なくないですけど、それまた彼次第という部分がありそう。
結婚という「責任」を果たす自信がない
これは、結婚という責任を果たす自信がない、というケースですね。
結婚を渋る理由が、例えば
- 経済的な理由で結婚する自信がない
- 彼の家庭の事情で結婚すると彼女に負担をかけそう
- 今はいいけどずっと一緒にい続ける約束までできるかどうかわからない
- 仕事が忙しすぎてとてもじゃないけど家庭を持つ余裕がない
などなど、まぁ人それぞれで「責任を果たす自信がない」と感じている彼もいるようですよ。
ちなみに、前述の「愛の三角理論」でいうところの「責任」とは、長期的な関係を築くための「意識的な選択」や「意志」の要素のことなんです。
そうです。
ここでの「責任」とは、よく結婚を渋る男性が考えそうな「社会的な責任」とか、「結婚することにおいて負うべき責任」という意味じゃなかったりします。
そう考えてみると、恋愛心理でいうところの責任と、結婚を渋る彼が感じている責任は、ちょっと中身が違うということになりますね。
うーん、深い。
僕が多く女性のクライエント様から伺う
「よく男の人は何事も責任が・・・って言いますけど。結局、結婚するかどうかって、相手と一緒にいたいかどうかだけじゃないんですか?」
という言葉。
その女性の皆さんのお気持ちが、このあたりからよーく見えてきそうな気がしませんか?
ねぇ、男性の皆さま・・・。
3つの理由は「親密感への恐れ」と呼ばれることもある
なお、ここに上げた3つの理由は「親密感への恐れ」を呼ばれる場合もあります。
彼が親密な関係を恐れる理由として、この3つの理由が存在するという考え方ですね。
※親密感への恐れに関しては次のコラムで解説していますので、よろしければご覧くださいね。
結婚してくれない彼との結婚を模索するには
さて、「結婚してくれない彼」との結婚を考える女性のみなさんにとっては、どうすれば彼と結婚できるのか?と考えてしまわれるのかもしれませんね。
もし、あなたが結婚したくない、結婚を渋る彼との結婚を考えていくならば
「彼との結婚への糸口は彼の困り事にある」
という視点を持っていただくと良いでしょう。
要は、「彼が結婚を渋っている理由こそ、彼の困りごとなのだ」という認識が持てるかどうかなのです。
この視点がないと、なかなか彼に結婚を求めること自体が辛くなるやもしれません。
逆に、彼の困り事を上手に解消できたから結婚できた、というケース、僕は何度もサポートさせていただいてきましたよ。
彼との結婚への糸口は彼の困り事にある
先にも書きましたけど、結婚してくれない彼にも結婚しない、結婚を渋る理由があるのです。
それは彼にとっての困り事であり、結婚をすることで感じる彼の不安や恐れの現れなのです。
誰だって困りごとは抱えますし、不安や恐れのあるものに対して躊躇するわけですから、そんな彼を責めたところで問題は解決しませんしね〜。
なので、基本的に結婚してくれない彼に対しては(特に責任が取れないと悩む彼に対しては)
彼は「結婚に対しての困り事を抱えている」と捉えておくほうが無難です。
その上で、あなたができる範囲で(自己犠牲しても意味がないのでね)、彼の困り事を解決してあげる提案ができるとしたら、彼もあなたとの結婚を考え出す可能性があります。
彼の困り事を解決することで結婚に至ったケースの話
ある女性が「結婚したい」と彼に伝えたら
彼から「仕事が大変で、今は考えられない。あと2〜3年は難しい」と言われた。
そんなケースがあったとしましょうね。
仕事が忙しいし、今の自分の状況ではとてもじゃないけど結婚生活を維持できそうにない、と彼は考えているのでしょう。
ただ、僕ならクライエント様にこのようなご提案するかもしれません。
「なぜ2〜3年はムリなのか、を聞き出してみてください」。
「彼に【2〜3年後にはどういう状況になることを想定しているのか】【2〜3年でどのような状況の変化が想定されているのか】とか、一度聞いてみてもいいと思います」。
なぜなら「結婚を渋る彼の2〜3年って、なんとなく言っている場合が多いから」なのです。
例えば、キャリアアップのための転職を考えているとか、今抱えているプロジェクトがあと2〜3年はかかりそう、という話なら理解できますよね。
ただ、「結婚を渋る人」って、「結婚したくないので何となく先延ばしにする人」も少なくないんですよ。
つまり、「あと2〜3年くらいはまだ結婚について考えたくない」が今の彼の本音なのです。
なので、彼とじっくり「本当のところを話し合うことが大切ですよ」なんてサポートをさせてもらうことが少なくないのです。
もちろん女性のみなさんからすると、彼から「2〜3年は結婚を考えていない」と言われると、「それは絶対に覆らない考え」と理解しがちなんだと思います。
だから、彼の言葉にすごく落ち込んでしまうものかもしれませんよね・・・。
でも、実際に彼と本音で話してみると、実は彼の中で、たとえ2〜3年時間をかけたところで、彼が一人では解決できない困り事が隠れていたりするのですよ。
その彼の困りごとの多くが、「結婚生活をうまく維持していける自信がない」なのです。
- 結婚して様々な責任を背負うことになるのではないか、とか。
- 自由を失うのではないか、とか。
- 今は好きでも(彼女が自分を好きでいてくれていても)その気持は永遠じゃないしな、とか。
- 仕事の責任だけじゃなく彼女の責任も背負わなきゃいけないんじゃないか、とか。
そんな彼ほど
「結婚後のことは一人で背負うことではないにも関わらず、結婚後のことまで一人で背負って考えている」。
だから、結婚を渋っているケースってホント少なくないんですよ。
なので、僕ならばこんなご提案をします。
「彼と心を開いて向き合って、あなたが結婚して彼のためにできること、それを丁寧に1つずつ説明をして、彼の結婚に対する懸念を払拭していくことをおすすめしますよ」
確かにその彼が深入りしない関係を求めている場合、もしくは恋愛にコミットメントを持ち込まないタイプの場合は、いくら話しても平行線かもしれません。
ただ、それはそれで、彼と二人でやっていくかどうかを決める材料になりそうですよ。
で、実際に彼女さんから、彼の困り事を聞き出して
「え、それって二人で解決していくことじゃない?私も〇〇するし。私だって困ったときはあなたに助けてほしいし。だからあなたが困ってるなら私が助けるよ」
みたいな風に話したら、彼が急に大人しくなってキョトンとし始めた、なんて話を伺ったケースはホントたくさんあるんです。
それぐらい結婚したくない男性って、一人で解決できない結婚の悩みで悩んでいる場合が少なくないんです。
【おまけ】結婚してくれない彼と別れる?続ける?その見極めポイント
さて、彼と結婚できるようにいろいろと動いてみたものの、あまり効果がないと感じたときのお話を少しだけしておきますね。
いわば、結婚してくれない彼と別れるか、続けるかの判断ポイントを参考までにご紹介しておきます。
この内容を、あなたの答えを出す際の参考にしてみてください。
別れを検討したほうがいいかもしれないケース
すでに何年も結婚を待たされている
こちらから結婚の意思を伝えたうえで、すでに何年も結婚を待たされている状況であり、その状況が一向に変わらないのであれば、別れを検討するのもありだと言えます。
あなたが「結婚できなくても彼といたい」と思えているのであれば、関係を続けるのもありですが、あなたに叶えたい未来があるのであれば、ここでは別れを検討、決断することも大切なことかもしれません。
もちろんめちゃめちゃ悩ましいと思いますが・・・。
結婚自体する気がない
彼が、あなたとの結婚ではなく、「そもそも結婚自体する気がない」「結婚願望がない」と分かる場合は、別れを考えたほうがいいかもしれません。
この場合、相手があなたでなくとも彼は結婚しない可能性があるので、あなた自身の人生、その時間を大切にすることも考えてみてください。
関係を続けてみてもいいかもしれないケース
こちらの結婚への意思に対してきちんと向き合ってくれる
彼が結婚に対して前向きでなかったといても、あなたの結婚したい思いに真剣に向き合ってくれるのであれば、関係を続けて見るのはあり、と言えそう。
きちんと二人で話し合いを重ね、お互いが納得できるタイミングを探してみてほしいですね。
彼の結婚しない理由が合理的で納得できるものである
彼の結婚しない理由が合理的で納得できるものであるなら、関係を続けていくこともありかもしれません。
その大前提として、彼が結婚しない理由をあなたにしっかり伝えてくれるという事実が必要ですけどね。
あなたがその理由に納得できるなら関係を続けるのもあり。
もし、彼のことを待つを決めた場合は、彼の気持ちや自分の気持ち、お互いの状況に変化がないかをチェックしながら過ごしてみてほしいです。
女性の皆さんへ:彼に結婚を求めることに後ろめたさを感じてませんか?
カウンセリングの中で、こんなお話を伺うことがあるんですよ。
「私は彼と結婚したい。でも、彼に強く結婚を求めるって彼にプレッシャーを与えたり、私が彼の重荷になっちゃうんじゃないかと思って、なかなか求められないんです。」
もし、あなたがそんなふうに感じているなら、もしかすると大きな誤解をされているのかもしれませんよ?
あなたが彼と結婚することは、あなたが彼を不幸にすることなのでしょうか?
もし、あなたがそう思うなら、そもそもその結婚にどんな意味があるんでしょうね?
・・・ちょっと厳しいこと書いちゃいましたけど、そもそも女性のみなさんも、好きな人と幸せになろうと思うから、結婚を考えるんでしょう?
もちろん自分自身の婚期とか、時間的な問題から結婚を焦る気持ちを抱えているかもしれませんが、彼のことを幸せにしたいし、彼と幸せになりたいから結婚を望むんでしょう?
そんな自分のお気持ち、ちゃんとご理解されていますか?
僕のカウンセリング経験上、「彼に結婚を求めるなんて重い女かも?」と思う人ほど悲しい結末を導いてしまう、と思います。
そんなに相手に求めることに後ろめたさを感じているとしたら、まずはそこから自分の気持を整えておきたいところですね。
最後に
もちろん、女性のみなさんにとっても、婚期的にも条件的にも「今の彼と結婚したい」という思いを抱かれることがあるのは僕なりに理解しているつもりです。
ただ、そのあなたの事情だけで、結婚を渋る彼の気持ちを変えようという戦略は僕もオススメしておりません。
彼を愛している女性の皆さんに、僕から「彼の気持ちをコントロールしましょう」なんてご提案をさせていただくことは基本的にありません。
しかし、「私にとって彼は大切な人で、共に人生を歩む覚悟ができている」から、結婚をお考えなんですよね?
そうですよね???
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