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「相手に求めすぎないこと」が関係終了の理由になる?
「あまりに相手を求めていなかったがゆえに二人の関係は終わった」
長くカウンセリングの現場にいながら、とかく男女関係の話を多数伺わせていただいていると、詳細は言えませんけど、そのような話も聞かないわけではない、のです。
いわば
「相手に何かを求めることが苦手なまま恋愛関係に至った」
「何でも一人でこなすことが正義だと思っていた」
そんないわば自立タイプの方に多いご相談とも言えるんですけどね。
確かに、何でもかんでも相手に求めてしまうと関係が悪化する可能性もあります。
が、ある程度感情的なリスクを引き受けて
「相手を求める、相手に求める」で
関係が良好に進むことも少なくないんですよね。
逆に、そこが全くない関係ですと、パートナーに無力感を感じさせることにもなりかねない、といいますか。
その結果、二人の関係の危機がやってくる、いや、その先がなくなる、なんてケースもないわけではないという話。
ちなみに、今日は「前回書いた恋愛コラムの真逆のパターン」について書いてみようと思った次第(^^;
まぁあえて恋愛心理的に眺めるとこんなことが言えますよ、という話を少しだけ。
よろしければどうぞ。
相手に求めすぎない人の心理
さて、まずそもそも「相手に求めすぎない人」の心について考えてみたいと思うのです。
相手に求めすぎない人は
そこに悪意があるか、善意からの行動かは別にして
「相手を自分を愛してくれる人・好意を向けてくれる人として扱うことができない」
という状態に陥っていることが少なくありません。
つまり、相手に求めすぎない人とは
パートナーに対して、心理的にも行動的にも自立的な態度を示している人、となります。
あえてネガティブな言い方をすれば「パートナーをアテにしていない」となります。
だけど、
「そんなつもりで求めていないわけじゃない」
というケースが少なくないようです。
実際に、このようなお悩みを伺う場合
その方の「内面的な事情」によって、相手のことを遠ざけたり、頼ったり関わることから遠ざかっている場合が少なくありません。
人によっては、相手に求めすぎなければ関係はうまくいく、と信じている方もいるとかいないとか。
その考え方やお気持ちを僕は否定したいわけじゃないんです。
ただ、もしあなたのパートナーさんが
「もっとあなたと関わりたい、親密になりたい、あなたのために行動したい」
と思っていたとしたら・・・。
確かに相手の気持は宙に浮いてしまうんですよね。
相手に求めすぎない人の抱えている事情(心理)
では、「相手に求めすぎない人」は、どんな事情を抱えている可能性があるのでしょう、という話です。
多く「相手に求めすぎない人」って
「大切な人に対して悪影響を与えたくない」と考えていることが多いんです。
これを心理的に表現するならば
「自分が相手に良い影響を与えられないかも、と、どこか自分を疑っている」
となることが多いものです。
これは
「こちらが相手を頼ったり、求めることで相手が嫌な気持ちがするだろう」
という推測が強く働いている可能性がある、ってことなんです。
求めることがマズいのではなく、自分が関わることがマズいと感じている
また、求めることが苦手な人ほど
「相手に何かを求めること(依存すること)がマズい」とおっしゃいます。
僕もその考え方、理解できるんです。
ただ、実際にじっくりお話を伺うと
「自分が相手と関わる・お願いすることがマズい」
と感じている方が少なくありません。
だからでしょうか。
実際に、求めることが苦手な人ほど「他人から求められることも苦手」という部分が特徴の一つ。
「自分が相手と関わる・お願いすることがマズい」と感じているから、他人から積極的に関わられることも苦手なんです。
とはいえ、こちらに遠慮なく求めてくる人や、他人に遠慮なく頼っている人を見ると、なんだかイライラするんですけどね(^^;
これは一つの禁止の心理の影響で、自分が禁止しているものを他人が取っているので、まぁイライラするわけですよ。
※禁止の心理については次のコラムにまとめてありますので、よろしければご覧になってください。
「大切な人に求めるとマズい」感じる理由が深層心理レベルの「求めない理由」
つまり、どうしてそこまでパートナーに求められないのか、と考えれば
「自分が大切な人に求める、つまり深く関わっちゃマズいよね」
と感じているから、なんて話だともいえます。
だから、関わらないことが正義になる、といいますかね。
もちろん、そこにはきっと事情があって、カウンセリングなどで触れていくことになる場合もあるんでしょうが。
*
ただ、これってある意味致し方ないよね、って話もであるんです。
なぜなら、僕たちが心を開いて人と関わる経験って、まぁまぁ恋人、親友、家族あたりなのですよ。
人を好きになったり、誰かを大切に思う気持ちを持ち始めた途端
「あ、求め過ぎちゃいけない」
と気づきはじめる、なんてこともあるのかな、と僕は考えているんです。
むしろ、大切に思う人を持つ経験を避け続けるならば、求められない自分に気づくこともなかったのかな、と。
相手に求めすぎないから関係が終わるパターンを手放すには
ということで、
相手に求めすぎないから関係が終わるパターンを手放すには
「なぜ大切な人に求めたり、もっと関わるとマズいことになると感じているのか」
について見つめていくことです。
これは
「こちらが求めると相手にとって迷惑になるから」という考えではなく(それは相手が決めることですし)
「求めることで自分の感情やあり方がどんな風に変化するのか」がテーマといいますかね。
彼女に求めるともっと好きになってしまう、という男性の事例
一つ具体例を書くと
「パートナーに求めることを極端に避ける男性」がいた、としましょう。
その男性にとって「求めないこと」は「与えられる自分でいること」「彼女を支えられる自分でいること」という意味があった。
ちなみに僕は、この男性の与えられる自分でいようとする意思を否定的に見ることはありませんよ。それはそれでいいんです。
ただ、ですよ。
例えば僕がその男性に
「もし、彼女にたくさん求めたら、自分がどうなっちゃうと思っているんでしょうか?」
と質問をするとしてね。
その男性が、素直で勇気ある方の場合、次のような返事が返ってくることがあるんです。
「頼ったら、もっと彼女に甘えたくなるし、もっと好きになってしまうかも。」
・・・めっちゃ分かる、その気持ち!と個人的には思いますけども。
そうね、もう好きになりすぎて自分を見失わないようにしているんですよね!なんて共感してしまいますけど(^^;
これは、「求めないことで心のバランスを取っている人」にとって、一つの心理的な危機を示しているといえます。
言い換えるなら「今の自分を保てなくなる」という意味ですね。
もちろん、今の自分を保つより、まぁトロトロにとろけてしまうようなロマンスを感じてもいいのかもしれませんが(^^;
それはまぁその方の判断というか、お好みってことですから、これ以上僕はなんとも言えないわけですけどね。
相手に求めすぎない理由は常にネガティブなものとは限らない
つまりですね。
「自分は大切な人に求めたり、もっと関わるとマズいことになる」と感じる理由は、常にネガティブな問題だと限った話ではない、ということなんです。
例えば、自信のなさ、自己肯定感云々の話も考えられますし、親子関係にその意味を見出すこともできます。
が、シンプルに
「好きな人にズッポリハマって抜け出せなくなる(相手を好きになりすぎてしまう)のが怖い」
って場合も多々あります。
言い換えるなら、何らかのカタチで自分が弱くなることが怖い、という感じ。
好きな人に心底惚れること、相手の存在を強く求めることも、弱くなることの一つなんですよ。
よって、僕たちの世界では「本当の強さは弱さに入る強さ」といいましてね。
好きな人のことが好きすぎてメロメロになれるほど、感情的なリスクを取り
大切な人との関係を濃厚でとろけるチーズのような?
もう幸せすぎる関係を持つことも、愛ある(勇気ある)選択だと僕は思いますよ。
逆に、これ以上好きになりすぎないように、弱くならないように、と
求めすぎない態度を続けることで、関係が悪くなることも有り得る話。
というか、そういったケースが多いよね、と僕は思います。
最後に
一般的に「相手に求めない人」って、いい人にように見えるんです。
が、実際は「相手に求めらんない事情」を隠していることが多いんです。
かつ、「相手に求めることが悪いこと」という判断を下していることも少なくないんです。
自分自身の中にある「相手に求められない事情」を正当化するために、パートナーに求めることや、人に頼る(依存)を完全悪のように捉えている場合もあるんです。
が、実際は、パートナーや人を求めたり、信頼したり、お願いすることで、より強固な信頼関係を作ることもできますし
恋愛などでは、もうとろけるようなロマンスが訪れることもあります。
もう幸せすぎてどうにかなりそう〜、みたいなね( ̄ー ̄)ニヤリ
彼や彼女との関係で悩んだとき、どうする?
あ、書くの忘れていました。
実際に自分が求め過ぎなかったことで関係が悪化した場合、どうすればいいの?という話なんですけどね。
まず気づくべきは
「こちらが相手を求め過ぎなかったことで、相手が寂しがっていたり、無力さなどを抱えている可能性がある」
という部分です。
ここまで散々「求められない人の心理」を書いておいてナンですが(^^;
「自分が求めすぎないこと」に関する事情を見つめ直すことも非常に大切なことですけど
実際に今パートナーがいる状況であれば
「そんなこと言ってる場合じゃなくない?」
ってことも多いはず。
だから、相手にこちらの事情や本当の気持ちを丁寧に話す必要がある場合も少なくないはず。
その上で、自分の恋愛や対人関係パターンを見つめ直すプロセスを進めていただくことがいいんじゃないでしょうか。
だから、僕はね
「求められないことで関係が悪くなっている」というケースのカウンセリングでは
「あなたが今、最も大切にしたい人を大切にしてください。」
とお伝えすることも少なくないんです。
・・・え?
それができないから困ってる?
だったら、あなたのお背中ポーンと押しましょか?
大丈夫ですよ、突き落とすとか、突き放すとか、そういったことはしませんからご安心ください( ̄ー ̄)ニヤリ
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