Index
夫にひどい言葉を伝えた後悔がとまらない
夫婦関係にまつわるご相談の中で
「私、夫にひどい言葉を伝えた後悔が止まりません」
どこかで
「私があんなことを言わなければ、二人の関係がここまで悪くなることはなかった」
そんな後悔をお感じなのかもしれませんよね。
そんなときって、やはり辛い気持ちになるのではないかな、と僕は思います。
一般的に「後悔を止めたいなら、強い意志を持てばいい」「失敗を取り返せばいい」なんて考え方もあるのかもしれませんね。
僕もそういった考え方には一定の同意をしているところです。
が、例えば夫婦関係の場合、とかくお子さんがいらっしゃったり、夫婦でいることが生活のベースになっている場合は、ちょっと話が変わってくるといいますかね。
自分が伝えた言葉で夫婦関係が悪くなっているという事実が重くのしかかるというだけでなく
せっかく築いてきた幸せな関係、家庭を手放すことになるなんてことを考えると、まぁ焦りますし、将来への不安が募るものだと思うのです。
そんなみなさんから
「どないしたら私の後悔が止まり、前向きに考えられるようになるの?」
というご相談は確かに少なくないものです。
そこで今日は「夫に酷いことを言ってしまった後悔が消えないとき」というコラムをお届けします。
よろしければどうぞ。
※なお、「彼と別れた後悔が止まらない」について書いたコラムはこちらでございます。よろしければこちらもぜひ。
夫にひどい言葉を伝えた後悔が生じる理由を考える
さて、まずは「どうしてあんなことを言ってしまったのか」という後悔が生じる理由について、簡単にまとめてみますね。
後知恵バイアス(事後的認知)
「後知恵バイアス」とは認知バイアスの一つで、物事が起きたあとで「やっぱり」「なんであのとき」などと、まるでそのことが予測可能だったと考える心理傾向のことです。
まぁ、後悔そのもの、ですよね(^^;
そう考えると「後悔」とは、あとで後悔する物事が起きた時点での事情があまり考慮されていないように僕は思うのです。
言い換えるなら「今の私なら、あんな酷い事は言わないのに」と思っている可能性が高い、といいますかね。
ただ、後悔するような物事が起きたときには、それなりの事情があったはず。
また、僕たちは毎日様々な情報や感情を処理して生きていますから、判断をあやまることだって有り得る話だと僕は思うのです。
が、「今の私ならば正しい判断ができるはず」と思えば思うほど、後悔は止まらなくなるものなのかもしれません。
酷い言葉を言わざるを得ない事情があった
実際にカウンセリングで
「なんで私は夫にあんなことを言ってしまったのか」というお声をうかがうと
多くの場合、そう言わざるを得ない事情があったのだろう、と推測できるケースってものすごく多いんですよ。
例えば、毎日仕事に家事に頑張っている奥様がいらっしゃったとしてね。
毎日ご機嫌で気分良く要られればベターなんでしょうが、まぁ日常の中ではさまざまな出来事と遭遇するわけじゃないですか。
ときには気が滅入ったり、孤独を感じたり、自分が間違っているのかも?と疑ってしまうときもあるのかもしれない。
そんなとき、例えば
なかなか夫婦で会話できなかった
責任感が強く物事を抱え込む傾向が強かった
自分自身が人に頼ることが苦手で、夫にも上手に頼れなかった
お互いが自立しすぎて支えあえていなかった
自分自身の体調面も感情面も一時的に不安定だった
などの事情で、つい感情が爆発してしまうことも(望まないことかもしれませんが)あり得ると思うんですね。
僕は、自分を責めずにそんな事情を一旦理解したり、その当時自分が置かれていた状況を客観的に見つめ直すことも、自分を大切にするプロセスの一つだと思うんです(言い訳するって意味じゃなくね)。
しかし、そんな事情を無視して、「なんであの時」と思うなら、そりゃ後悔しか出てこないと僕は思うのですよ。
過去の経験によって行動している
さて、「僕たちの行動は、どのように決まるのか」という話があるんですけどね。
そのひとつが「記憶」だと言われています。
要は、「過去の経験」のことです。
僕たちは記憶・過去の経験により、行動している部分があるわけです。
だから、過去に良い経験がたくさんあれば、良い行動が生じやすいし。
そうではない経験がたくさんあれば、そうではない行動が生じやすいんです。
これを夫婦関係に当てはめて考えてみると
今までの夫婦関係の中で
「相手に私の気持ちを受け止めてもらえない」だとか
「相手に迷惑をかけないように苦しくても我慢しよう」
なんて状態があったとしましょう。
これは夫婦としての記憶・過去の体験が若干ネガティヴだった、と言えるわけですよ。
そんな中で、パートナーを信頼しましょうって言われて
即答で「はい!信頼します!」と言える人ってどれだけいるんでしょうか?と僕は考え込んでしまいます。
それは、今まで全く宝くじが当たらなかった人に、当たると今すぐ信じろ、と言っているようなものだと僕は思うのです。
それは夫を信頼できないことがダメということではなく
「僕たちの行動が記憶や過去の経験に左右されている」という影響である場合も考えられると思うのです。
だから、後で後悔すると思うかどうかは別にして
「もう、流石に相手に分からせてやらないと気がすまない!」
「いいたくないけど、強く言わないと相手に伝わらない」
「我慢の限界で強く言わないと自分が壊れてしまいそうだった」
なんて状態になることもありえると僕は思うのですよ。
夫にひどい言葉を伝えた後悔を手放す方法を考える
では、ここからは「夫にひどい言葉を伝えた後悔」を手放す方法について考えていきますね。
「今の自分はベターな判断ができる」と、とりあえず思ってみる
後悔が消えないときほど「なんであのとき」と思うわけですよね。
そう思うということは、「今の自分であればベターな判断ができる」と感じているはずです。
そもそも「後悔」ってしたくないものです。
それに、公開しても過去の事実は消えませんよね。
ただ、今の自分なら「本当に伝えたいことを伝えられる可能性が高い」ってことでもあるわけです。
だとしたら
「なんであんなことを言ってしまったのか」という後悔の念も否定せず丁寧に
「そう感じているんだ、私」と消化していきながら。
「今なら自分の本当の気持ちを大切にできるかもしれない」という可能性を見つめてみてもいいかもしれませんね。
自分自身が抱えているわだかまりや感情を消化していく
ただ、今もまだ「私はまた同じ失敗するのでは」と思っているなら
それは自分を責めすぎているか、何かしらのわだかまった感情が消化しきれていない場合が多いものです。
そんなときは
自分の感じている気持をいいも悪いもなく紙に書き出してみる、とか
カウンセリングなどを使って気持ちを整理をしてみてください。
先に書いた「酷いことを言わざるを得ない事情」があるのに、それを無視して後悔を取り戻そうとしても、自分が辛いだけという場合が多いもの。
冷静な判断ができないぐらいの、なにか事情があったのでは?と自分を理解し整えることも大切なことですよ。
今できることに意識を向けて行動してみる
人が後悔しているときほど、今に意識が向いていないことが多いものでしょう。
いわば、過去、というか、後悔に向いているといいますか。
それが悪いわけではないですが、後悔から抜け出すことを考えるなら
後悔したことから学び、「今できること」を考え、行動に移すことがオススメです。
たとえば
「なんであんなことを言ってしまったのだろう」と後悔しているのなら
自分は本当は何を伝えたかったのか、を意識してみることです。(ここが難しい場合、カウンセリングなので気持ちの整理をしていただくことがオススメです)。
その上で、今、できる少しでも関係をよくする方法を、考えて実践して見る方法もありますよ。
(考えて行動しても「なにか違う」と思うなら、例えば二人の未来自体をどうするか考えていくことになるんだと思います。)
心が安定する、落ち着く習慣を取り入れてみる
それ以外にも、日頃から後悔する時間を「自分の気持ちが安定する、落ち着く時間」に振り分けてみる、という方法もあります。
例えば
- 深呼吸や瞑想を生活に取り入れる
- 軽い運動、ストレッチなどをする
- 散歩する
- 生活の中にお気に入りの香りを取り入れる
- 今まで読んでいなかった本や音楽、芸術に触れてみる
- 家の整頓や掃除をする
などなど。
もちろん無理のない程度で、が重要なんですけどね。
あまりに後悔が止まらないときは、人に話を聞いてもらったり、自分の気持ちと丁寧に向き合う時間を作る方がオススメかな、と僕は思います。
本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。