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幸せであるはずのワタシの不倫と、抱える苦悩についての考察
カウンセリングの現場におりますと、男女問わず
「幸せである(はずの)人、真面目な人、環境的に満たされている人が浮気や不倫などの問題で悩まれる」
というお話を伺うことがあります。
この問題は当のご本人も、他者から見ても、なかなか理解され難い問題でもあるのですね。
「なぜそんなことを?」といった風に感じやすいといいますか。
実はですね、真面目な人や、今、幸せである人の浮気や不倫って
その深層心理で「幸せである」「魅力がある」「実力がある」ということを怖れるがゆえに生じている行動である
そんなケースが存在するのです。
だから、めちゃめちゃ分かりにくいんです、なぜそれが起きるのか、がね。
いわば、周囲から見て
「幸せそう」「素敵だよね」「社会的な評価も高い」と思われれば思われるほど辛くなる。
だからこそ
「自分自身が問題を抱えることで、その辛さを回避しようと考える人もいる」
という話なんです。
ときには幸せであるとか、成功していることがプレッシャーとなっていて、そのプレッシャーから下りたいがゆえに問題を引き起こす人もいます。
そこで今日は「幸せであるはずのワタシ(夫・妻)の不倫」を例に
抱え込んだ偽物感がもたらす心理についてコラムにしていきます。
よろしければどうぞ。
※以前にも偽物感にまつわる記事を書いていますので、こちらもどうぞご覧になってください。
幸せであるはずのワタシが抱えこんだ偽物感
さて、まずは偽物感という言葉について解説していきたいと思います。
ここでの偽物感は
「自分は嘘つきで、詐欺師のような存在で、いつも人を欺いている。
だから、幸せになってはいけないし、成功してはいけない」
そんな意識、気持ちのことを指します。
また、この偽物感には
「自分自身の能力や魅力を、他者からの承認を受けたり、能力が魅力があると外的に証拠を示されれば示されるほど偽物感が強まる」
という性質がある、と言えるんです。
要は実力、魅力がある、きちんと結果が出ているけれども、それがただただ偽物感を強めてしまう、ということなのですね。
本来、自分を認める行為、人からの好意や評価を受け取る行為は自分自身のためになるものです。
が、偽物感を感じている人にとっては、一時的にであれ、逆の意味で作用してしまうというなんとも悩ましさがそこにあるわけです。
「幸せであるはずのワタシの不倫」という事例に当てはめて考えてみると
ここを夫婦関係の事例として置き換えてみると、以下のようなことが言えるんです。
もし、幸せであるはずのワタシ
例えば、夫・妻の不倫という事実が生じたとするならば
たしかに夫婦関係が冷たくなっていた、いつもケンカや罵り合いばかりだった、というケースもあるのですが
今の関係が「周囲から見れば幸せで、時には人が羨む環境であること」が、「夫や妻の偽物感を漠然と刺激していた」というケースも考えられるんです。
そもそも偽物感に悩む人は、情熱的で、勤勉で、完璧主義傾向がある人が多い、と言われています。
普段は、情熱や熱意、勤勉さなどで、内面の偽物感をなんとか払拭しようとしている方が少なくないのです。
だから、夫婦関係の問題や、パートナーの問題、自分自身の悩みなど
何かしらのキッカケで偽物感が爆発すると
「やっぱり自分は偽物だ、人を騙している。ただの嘘つきだ」
と深く悩むことになるんです。
これは誰にも相談できない苦しみにもなります。
また、誰かにそれとなく相談しても「あなたは大丈夫扱い」や「どうしてそんなに自己肯定感が低いの?と言われるだけ」、なんてこともあるようですよ。(実際にそんなお声を伺うこともないわけじゃないです)
ただまぁ、それも仕方ないこと、といいますか、偽物感というものがなにかを知らなければ、気づく人も少ないはずですからね。
偽物感を共有できる相手はたしかに貴重なのです
ただ、そんな状況にある人が、例えば
「同じように実力も魅力もあるのに偽物感で悩む人」
「魅力があるのに自信を失っている人」
「つらい境遇にある人」
「自分を信じられない人」
など出会ったとしたら、どんなことが起きるでしょう?
そうです。
「この人なら分かり合えるかも」と感じてしまう可能性だってあると思うんです。
なかなか分かり合えない偽物感を理解し合える相手や
自分の苦悩を理解して支えようとしてくれる異性がいるとしたら
「そりゃ心惹かれても不思議ではないよね」
と僕は思うことがあります。
ただ、偽物感であれ何であれ、自分の苦悩を共感しあえるなら、お互いの心を軽くすることが多いので、やはり魅力的に感じるもの。
人によっては「やっと分かってくれる人にめぐりあえた」と感じる場合もあるはず。
つまり
「このような動機で生じる浮気や不倫にこそ「偽物感から逃れられる術」だと感じている可能性も否定できないんじゃないか」
そう考えることがありますね。
あ、ここで僕は浮気や不倫の是非を語りたいわけじゃないですよ。
また、偽物感を抱える人、またはそれを理解できない人の批判したいわけじゃありません。
ただ「偽物感が強くなるとこのようなことも起こり得る」とお伝えしたいだけなのです。
かつ、この話は一つの考え方で、実際のところはお話を伺わないとわからないのです。
偽物感でつながった関係が真実の関係になるかどうかはわからない
ただ、偽物感を理解してくれる相手、共有できる相手を見つけただけで、自分の偽者感が消化できるとは限らないのです。
そもそも、偽物感が強い者同士で長く愛し合えるか、というと、そこはまさにケースバイケースなんでしょう。
考えられるリスクとしては、今後も偽物感を抱え続けているなら、今と同じように
「愛する人を欺いている」
と感じる可能性は否定できないんです。
だから、その関係が真実の関係になるかどうかは予測が付きませんし、僕としては否定も肯定もしないスタンスでいます。
幸せであるはずのワタシが抱えこんだ偽物感の手放しについて
さて、ここまで偽物感についてお伝えしましたので
まずは「自分自身の偽物感を手放しについて」も触れておきます。
信頼できる人に自分の気持ちを話す
偽物感を抱えているときほど、「信頼できる人に今の自分の気持ちを話すこと」は大切なプロセスです。
一人で偽物感を抱えると、悶々とするだけでなく「一人でこっそり解決しないと」なんて意識が強まるので、より偽物感や人を欺いている気分が強まります。
なので、「信頼できる誰か」に話すことに意味が出てきます。
いわば「知ってもらう」ということですね。
もしあなたに信頼できるパートナーがいるなら、パートナーに話してみることもいい選択です。
もし、パートナーを信頼していないわけじゃないけれど、話すことにためらいがあるなら、カウンセラーなどに話してみていただいてもいいかもしれません。
そもそも偽物感が強くなると「人のサポートを求める」ということ自体が難しくなるんです。
人に近づかれたり、自分をよく知られると「偽物だってバレるんじゃないか」といった怖れが生じるのですね。
これはプライドの高さというより、「マジでバレることが怖いっす」というなかなか扱えない怖れなのですよ。
だから、人に話す、知ってくれている人がいるということだけで、安心できることもあると思いますよ。
自分に優しく、今に集中する
その上で、「自分に優しくすること」「先々の不安を考えず今に集中すること」がオススメです。
偽物感って、過剰な責任感、プレッシャーがかかっている状態になると生じやすいものでもあります。
また、環境の変化や新しいチャレンジをする際にも感じやすいんです。
ただ、それは自分の偽者感のフィルターで自分や未来を見ているから生じること。
だから、自分に優しい視点、認める視点、過剰に追い詰めない視点を持つことも大切なんです。
なので、自分に優しい声かけをしてみたり、先のことばかり考えず、今に集中することがおすすめなんです。
すると、次第に「今、自分が大切にしたい人やもの」が感じ取れたり、「今、自分がどうしたいか」も前向きな意味で選べるようになります。
偽物感から卒業するなら「自ら大切な人や物と関わること」
また、あなたが偽物感からの卒業を考えるならば
「自らが大切な人や物と関わること」
が重要なポイントになりますね。
自分の価値や能力を受け取ることはもちろん
パートナー、自分にとって大切な人、愛してくれる人、親、友達、仲間、など、
大切な人に自分から関わることが、偽物感を変えていく重要なファクターなんです。
人は一人で生きられない、みたいな話に似ているわけですよ。
だから、恋愛や夫婦関係においては
「自分が大切にしたい人や物が選べないこと」が、強烈に偽物感を刺激する材料になるんですよね。
ただし、偽物感が強いときほど
「自分が大切にするべきものがあればあるほど、自分は追い詰られる」
と感じることが多く、大切な人と関わることで苦しむわけです。
だから、本当に大切にしたい人や物を選ぶことが難しくなるのですが、そのループを断ち切るところに、偽物感からの解放があるといえます。
むしろ、大切にするべきものから遠ざかると、また偽物感を生じやすくなります。
なので、
自分に優しくしながら、自分自身もサポートを受けながら、自分を見つめ直しながら、
「大切な人や物を大切にするように関わること」。
それこそ僕たちの世界でいう「親密感はすべてを癒やす」という話につながるわけです。
最後に
最後になりますが、もしあなたのパートナーが偽物感が強い人であった場合は
焦らず、暖かく、やんわりと包む意識で関わるとおいかな、と僕は思います。
もちろんきちんと関わっていいですけど、なかなか関わらせてくれない場合は、じっくりコトコトと。
ただ、「パートナーの偽物感をどう扱うか」という話は、正直シビアな感情を感じやすいプロセスでもあるので、無理は禁物です。
もちろん自分自身のケアも忘れないでくださいね。僕でよければお付き合いしますしね。
この話は今日のコラムだけでは書ききれないので、また別の機会にまとめたいと思います。
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