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「自分を変えるとうまくいく?」「今のままの私でいい?」結局どっちが正解なの?!
さて、今日はとある方からご質問をいただき「ぜひブログで回答して欲しい!」との熱いリクエストをいただきましたので、その話をコラムにしたいと思います。
ま、今日の話もまた「僕からの回答」でしかないわけでして(この手の話は考え方がたくさんあるのですよ)肩の力を抜いてゆる〜くご覧いただけますと幸いです。
いただいたご質問は次のとおりです。
ある人は「自分を変えるといい、人生はうまくいく」という。
ある人は「今のままの私でいい、ありのままの私を大切に」という。
これって真逆の話ですよね?
結局、どっちが正解で、どうすることが幸せになる方法なのかよくわからなくなってしまったんです。
今の私でいいの?それとも今の私を変えなきゃいけないの?
どっちなんですか!浅野さん!
にゃるほど、と思います、このご質問。
確かにあるカウンセラーは「自分を変えよう」といい、あるカウンセラーは「今のままでいい、自分軸で」という、なんてことが確かにあるのかもしれません。
だからどっちやねん、と悩まれる方がいても不思議ではないかな、と思うのです。
ま、ぶっちゃけた話をすれば、自分を変えたければ変えればいいし、今の自分のままいたければそれでいい、ってことでもあるんですよ。
ただ、その自分の選択の結果は、自分が選んだこととして受け入れようね、って話かな、と僕は思うのです。
とはいえ、僕自身、このような回答だけではなかなかご納得いただけないような気がしておりますよ。
なので、今日はこの話をもう少し深堀りしてみようと思います。
ちなみに・・・。
僕はよく「しゃーない」という言葉を使いますけどね。
実は、僕のこの口癖にこの問題を紐解く鍵があると考えているのです。
では今日もよろしければお付き合いください。
「自分を変える」という言葉の意味を勘違いしてない?
さて、これは実際に伺ったことがある話なのですが
『私、「自分を変える」という言葉を聞いて、今の自分じゃダメなんだ、って思ったんです。今のままじゃ幸せになれないから、自分を変えなきゃいけないんだって。』
なんて思いを伝えてくださる方がいます。
すると、僕は「なるほど。そうお感じなんですね。」とお伝えしつつ、僕からのアドバイスが欲しいとお伝えいただく際には
「うーん、今の自分がダメって話ではないと僕は思うのですよ、自分を変えるってことは」
「訂正することはあっても、否定することは必要ない、といいますか」
「結局自分を変えるってのは、成長であり新しい視点、知識、観念などを得るということであって、自分の中に何かを蓄積させていくこと、受け入れていくことなんだと思うのです。」
なんてお話をさせていただくことがあるのです。
これもあくまで僕の学びの結果、僕なりの見解なのですけども。
ただ、カウンセリングでもセミナーでも「自分を変える=今までの自分に価値がなかったという意味で否定する」という考えをお持ちの方と出会うことは稀ではありません。
だとしたら、それは「自分を変えるという言葉の意図に含まれることではない」と僕は思います。
自分に価値がなかったから。
自分自身そのものが間違っていたから。
自分がダメだったから。
そんな動機で自分を変える必要がある、と考える人もいるでしょうが
そもそも自分を変えるってことは「成長・成熟する」ってことではないでしょうか。
つまり、今の自分の心の成長ステージでは叶えたいけれど実現できないこと、届かない幸せや成功があるから、心の成長・成熟することを進めていきましょう、という意味だと僕は考えています。
今のままでいい、十分だと思うなら、いちいちそんな事は考えないのではないかな?と
成長・成熟すると今の自分は変わっていく
また、僕たちは成長・成熟することで「できること・分かることが増える」わけですよね。
今までチャレンジできなかったことに手が届く。
今まで見えなかったものがみえる。
分からなかったコトの意味が深く理解できる。
人の発言の真意を捉えられるようになる。
深く相手の気持を慮ることができる。
この社会に存在するルールや規則の本質が見えてくる。
などなど。
だから、自分を変える!と思わなくても、様々な経験をするうちに成長、成熟している部分もあるはずなんですよ。
昔とは違う、成長した自分、成熟したものの見方を得ている自分がいるはずなんです。
ただ、昔から変わらない自分もいるはず
ただその一方で、なかなか自分の中で「昔と変わらない部分」「強くこだわってしまうこと」「変わらない価値観」などもあるはずなんです。
この「昔と変わらない部分」「強くこだわってしまうこと」「変わらない価値観」などが、今から自分が望む夢、希望、目標などを実現する際に、障害になってしまうとしたら。
自分の中にある、モノの見方を変えてみたり、自分の物事の感じ方、具体的な行動などを変えてみる方法もありますよね、ってこと。
これは、今からさらに成長・成熟するステップを踏んで、さらに幸せに、豊かになっていきましょう、なんて意味合いで僕はお伝えするのです。
つまり「今までのあなたではあかんで」「あなたはろくでもないで」という話ではないのです。
自分を変えることは成長でもあり、手段でもある
もし「あなたが幸せになりたいけれど、でもなれない」と思うなら、きっとあなたが今まで取り組んでこなかった、何かしらの進めていくべきプロセス(成長への課題)があるのかもしれません。
そのとき、あなたが「今の自分」に過剰にこだわって「現状維持」をはかるなら、それは「なりたい自分になれない現実をキープする」ってことにもなりかねないわけですよね。
だから、あなたに叶えたいことがあるなら、一歩前に学びや癒やしを進めていきませんか?という意味で「自分を変えていきません?」なんてご提案をさせてもらうわけです。
つまり、自分を変えることは成長することでもあり、幸せになる手段でもある、と僕は思いますよ。
自分を否定することもまた成長につながることがある、のだが・・・
また、そのプロセスの中で、一時的にではあれ、「今までの自分を一旦否定する」なんてプロセスがやって来ることもあるでしょう。
僕自身、基本的には「自分を否定する必要はないよ」とお伝えしているのです。
が、僕たちが自分を変え、成長・成熟を望むとき、「今までの自分の考え、やり方を自らのの意思や選択として(謙虚に学ぶという意味で)否定する」ことで、メキメキ成長することがあります。
要は、自分以外の人の発想、見解、やり方などを素直に学んで成長をしようとする際には、自分の発想、見解、やり方を一旦自分で横に置く・・・
いわば「あえて自分を否定的に見て課題点を探る」なんてことが必要になる場合があるということです。
今から新しい学びを深めようとしているのに、のっけから「俺は私はそうは思わない!」「んなことおかしいやないかい!」とばかり主張していても、素直な学びにはなりませんよね。
(「俺は私はそう思う」を突き通したければ、そこでの学びはなくなるかもしれませんが、それはそれでいいのでは、と僕は思うのですけどもね。)
つまり、僕たちは「自分の考えややり方などを否定する」ということを通じて、新しいなにか学び、成長していく側面がある、とも言えるんです。
だからでしょうか。
どこかでこの「自分を否定する」という方法に固執してしまうこともあるんですよ。
いわば「成長とは自分を厳しく律して否定することから始まる」とだけお考えになる方もいるのかな、と僕は考えています。
が、この「否定する」ということも学びのスタイル、方法の一つであって、全てではないと思うのですよ。
自分を認めてもいいし、他者からの承認や評価を得ることも一つの学びのスタイルですしね。
この辺のバランスを上手に取ることが大切といいますか。
むしろ、自分を否定するという考え方が行き過ぎて、「今までの自分が間違っていた」「なんて私は未熟で浅はかだったの、恥ずかしすぎる」なんて思ってしまい、自分のことを認められないとしたら、それはそれで自信を失ったり、様々な問題の種になっちゃうんですよ。
ここで登場する話が「私は私でいい」なんですよね。
自分の人生の主体は自分でしかないから
結局、自分の人生をどのようにしていくかを決められるのは自分だけなんですよ。
だから、今までの自分をひたすらに否定して「あかんやん、自分」なんて思いつづけるとしたら、ドンドン疲れるし、自分を信頼できなくなりかねないし、余計に成長へのモチベーションが下がってしまう可能性も出てくるんですよ。
人によっては「いままでいいやん、もう」と諦めが強くなりかねない、といいますかね。
そもそも今までの自分の全てが間違いではないわけですよ。
ただ、その中に今までの自分の行動に訂正するといい点があった。
言い換えるなら、自分にとってマイナスになるような行動を取っていた、と自覚できるだけ、自分と素直に向き合える状態が好ましい、といいますかね。
ここで出てくるのは「基本的に自分というものは悪だとか、愛されない、どうしようもない存在ではない」という自分に対する態度、なんですよね。
それこそ、いい部分もそうではない自分も自分で、それが自分というもの。
そんな自分の強さを「すげー、素晴らしい!」と認めて、人のため、愛する人のために使うことや
自分の弱さを知って「まぁ、しゃーないなぁ、それが自分だもんなぁ」と受け入れていく。
そんな今存在する等身大の自分を受け入れていることが重要といいますかね。
*
逆に「基本的に自分というものは悪で、愛されない、どうしようもない存在」と否定的な態度を取りつづけると・・・
- 自分の価値がだだ下がり、これ以上自分の価値を失えないと思うようになり、ネガティブな意味でのプライドが高まり、人からの指摘、意見などに強く反発したくなる。
- 自分ではどうすることも出ないという無力感に打ちひしがれやすくなり、自分の才能や魅力、乗り越えられる力を信頼できなくなる。
- 結局何を頑張っても喜べない、嬉しくない、楽しくない、なんて状態になる。
なんて状態になることが起きる可能性があるわけです。
もちろん自分を認められない状態になるにも事情があると言えますし、そこはちゃんと理解する必要があると思いますよ。
ただ、「自分は自分でいい」とは思えず、「自分ってあかんやん」という思いが強まることで、今後の成長や成熟へのプロセスが止まってしまう場合もある、ということなんですよね。
なので、基本的に「あなたはあなたでいい、素晴らしい」というスタンスを大切にしようってことなんです。
その素晴らしい自分、このままでいい自分にふさわしい態度、言動、考え方、モノの感じ方があなたに最もふさわしいものではないでしょうか、という意味でね。
つまり、「基本的に自分というものは悪で、愛されない、どうしようもない存在」と思った時に取るべき癒やしの行動は
素晴らしい自分、このままでいい自分にふさわしい態度、言動、考え方、モノの感じ方を身に着けていく、ということなんです。
そういう意味では、今まで辛くとも頑張ってきた自分を否定する必要なんてないけれど、
「自分のために、自分を変えていきましょっか」
って話にもなるんですよね。
この話は「自分がどう生きるか」「何にコミットして(関与して)豊かに生きるか」という大きなテーマや自分の成長とつながっているのですが、その話はまた別の機会に・・・。
そう考えると、まぁ「自分を変えるとうまくいく」「今のままの私でいい」って
どちらが正解という話ではなく、相互作用の関係にあるといってもいいのかもしれませんね。
という感じで回答終了。
なにか参考になりましたら幸いです。
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