ほぼ30代からの”仕事に活かせる”心理学

感情の制御が効かず会社のトイレで泣いてしまいます

浅野さんへの質問

いつも浅野さんのブログを楽しみにしております。

時には電車の中でじわっと泣きそうになりながら(泣きながら)拝読しております。

最近の会社でのことです。自分で自分の感情の制御が効かず、1日に何回も感情がぐわっとなって抑えきれなくなり、会社のトイレで泣きます。

一日に何回も泣くと、仕事はなかなか進まないし、辛い感情を感じるのか嫌で会社に行きたくなくなります。

感情が溢れてしまうトリガーは、ある事象が目の前に起こると、その事象から「自分はいらない。必要ない」とオートマチックに思ってしまい、自分ができない、その仕事をできる能力がない、役に立たない。だから私はいらないんだな。と思って自分で自分を責め、それに耐えられなくなるようです。

信頼している職場の男性の同僚2人に、辛いことを打ち明けたり話したりしています。その2人は話しを聞いてくれたり、こう考えたらいいんじゃないとアドバイスをくれたり、考え方の参考になりそうな本を貸してくれたり、私が辛く感じる事象を何とかしようとしてくれたりします。

私には、その2人が何でそこまでしてくれるのかよくわかりません。ただ、私が一方的に頼っているだけなのに。私に価値があるからなのかもしれませんが、仮にそうだとしても実感として湧いてこないです。もちろん、私に価値があるだなんて思ってないです。足を引っ張るだけの何もできない人間だと思ってます。

今、どうしたらいいでしょうか?会社に行くと、ふとした出来事で涙が出てきますし、仕事も進みません。

この状態が続き、その信頼している2人につらいと言い続けることで、だんだんその2人が私のことを嫌になり、嫌いになられてしまう。距離を取られてしまう。見捨てられてしまうのではないかと思ってしまい、それがいちばん怖いです。やっと信頼できる人に会えたのに、その人に見捨てられるのがいちばん怖い。

今すぐ効く泣かないで済む何かしらの方法、対策、何でもいいです。できることを教えていただけないでしょうか?

(匿名さん ※原文のまま掲載させていただきます。)

匿名さん、いつもご覧いただきありがとうございます。

なるほど、コレは切ないご質問だなって僕も思います。何か参考になればと願いを込めつつお答えしたいと思います。

感情の制御が効かず泣いてしまう理由

多くの場合、自分の感情の制御が効かずに感情が溢れたり、涙が止まらなくなってしまう理由は、すでに抱え込んだ感情が大きくなりすぎている場合が多いものです。

要はたくさん消化するといい感情があるんだけど、それを我慢して抱え込んでいる、という場合です。

ただ、その他にも「自分自身がとても繊細な感情のセンサーを持っている」という場合や、昔から抱えた不安や恐れを、今の環境で刺激されているという場合なども考えられるんですよ。

そして何より辛いのは、感情の制御が効かない自分を自分で責めてしまうこと。

自己攻撃を持って自分の感情を安定させようとしてしまうことにあるかもしれません。

心理学講座のシンボル
自分を責めてしまう「自己攻撃」の心理カウンセリングの中でよくテーマになる「なにか起きるといつも自分を責めてしまう」ということ。 自分を責めてしまう心理、つまり自己攻撃は、...

今回のご質問を読ませていただくとこう書いてくださってますね。

感情が溢れてしまうトリガーは、ある事象が目の前に起こると、その事象から「自分はいらない。必要ない」とオートマチックに思ってしまい、自分ができない、その仕事をできる能力がない、役に立たない。だから私はいらないんだな。と思って自分で自分を責め、それに耐えられなくなるようです。

なるほど、ちゃんと感情のトリガーが分かってられるんですね。

「自分はいらない、必要ない」という感情はおそらく無価値感ですね。

無価値感に関する一考察 〜私にはいつも何か足りない気がするなら〜私にはいつも何か足りない気がする ご相談の中に「私にはいつも何か足りない気がするんです」というお話があります。 例えば、「なかなか結...

この感情は一人で抱えていると超苦しいんですよ。ひどい気分になる感情ですから。

そして無価値感ゆえに「自分はいらない存在だ」と思えば、人前でいてもたってもいられなくなる。傷つくと思うからですね。

そして、万が一、私は役に立っていない、人の迷惑になっている存在だと感じていれば、そりゃここから逃げたしたくなるかもしれません。

ここでは強い自己攻撃が起きますね、自分を責めちゃう可能性が高いんです。

そもそも涙の意味について考える

僕は「涙を流す」って大人に許された感情表現の一つ、だと思うんですね。

辛い時、悲しい時、苦しい時・・・

なかなかね「つらいってばー」「かなしいんじゃー」「くるしいだがやー!!!」と暴れたり叫ぶこともできませんしね。

だから涙は心の浄化、感情の解放、と考えていいと思いますよ。

ただ、そうは言えども、職場などで涙を流したり、日常生活で泣くとなると、人目も気になりますし、人によっては困ってしまったり、驚いたりされる方もいるかもしれないですからね。

なかなか「日常生活の中で涙を流す」って難しいのかもしれませんし、泣くこと自体に抵抗があるかもしれませんね。

※だから僕達カウンセラーやカウンセリングルームは、皆さんの駆け込み寺的存在でありたいと思うんですね。遠慮せず駆け込んでいただければと思うんです。

どうして自分を責める必要があるのか?をもう少し深く考える

さて、では「どうしてこういった自分を責める自己攻撃」が登場するのでしょうか?という部分に、根本的にあなたの癒しをすすめるポイントになるかと思います。

私よりも価値がない人を作らないための自己攻撃

私には、その2人が何でそこまでしてくれるのかよくわかりません。

ただ、私が一方的に頼っているだけなのに。私に価値があるからなのかもしれませんが、仮にそうだとしても実感として湧いてこないです。

もちろん、私に価値があるだなんて思ってないです。足を引っ張るだけの何もできない人間だと思ってます。

匿名さん、ずっとこうやって自分の居場所をなんとか確保してきたんですか?

だとしたら・・・切なかっただろうなぁと僕は思うし、たくさん遠慮してきたのかもしれないし、自分の身の置き所が分かんなくなるかもしれないなぁ、と想像しています。

ただ、コレは一つの可能性なんですが

そのあなたの苦しい感情、もしかして「誰かの為に引き受けている」こともあれば、「その苦しい感情を人の代わりにしている」ケースもあるんですよ。ちょっと難しい話ですけどね。

人は誰しも無価値感を持っているでしょうが、ここまで強い感情になっている場合、あなたが誰かを助けるために無価値感を感じ続けている、なんて心のロジックがあったりもするんですよ。

私よりも価値がない人を作らないために、私が最もひどい感情を引き受ける、といったイメージで。

私が最も無価値だと感じていれば、みんなが救われるようなイメージ。

だとすれば、この方法があなたの人への貢献になるかもしれない。

すると、あなたは自分の価値を認められない状況を続けるしかなくなるんです。

だから、こんな言い方になると誤解があるかもしれないけど、匿名さんはめっちゃめちゃ頑張っているんだと思います。

よく踏ん張っているというか。

しかしそれにも限界がありますよね。

頑張って踏ん張ってきたから限界が来るわけですから、ちょっと対策を練りたいところです。

人から距離を取られるのが怖い気持ちこそ投影かもしれません

この状態が続き、その信頼している2人につらいと言い続けることで、だんだんその2人が私のことを嫌になり、嫌いになられてしまう。距離を取られてしまう。見捨てられてしまうのではないかと思ってしまい、それがいちばん怖いです。やっと信頼できる人に会えたのに、その人に見捨てられるのがいちばん怖い。

それ、あなたの投影かもしれませんよ?

心理学講座のシンボル
投影の法則 ~感情は外側ではなく内側にある~投影の法則 投影の法則とは 「私たちは全員、心の中にあるフィルターを通して外の世界を眺めている」という概念のことです。 映し出...

今のままの自分を自分が嫌っている。

だから自分が自分に愛想を尽かしてしまうイメージを人に写してしまうのです。だから人にありがとうが言えなくなて、ごめんなさいと思うようになる。

ここで人との距離ができるので、助けてもらったら「本当にありがとう」と勇気を持って伝えまくりましょう。コレもあなたの癒しにつながりますよ。

そして、今はもっと自分をいたわったり、強い感情があるなら手放すためのアプローチを考えてみてください。

先に書いた方法で上手に職場で過ごすこともいいですし、自分を認める、ねぎらう、褒めることも大切ですよね。

とにかく自分を否定的に見るとちょっときつい状況そうなので、自分に優しく、自分をいたわる方向がおすすめです。

感情の制御が効かず泣いてしまうときの対処法

最後になりますが、感情の制御が効かず泣いてしまうときの対処法についてまとめておきますね、

心が落ち着けるために深呼吸をする

とりあえず仕事中、少しでもいい、自分の気持ちが落ち着ける場所を探して、そこで5分でもいいから一人になってフーっと深呼吸する時間があるといいですね。

それだけで少しは気持ちが落ち着きます。

深呼吸は自分で自分の自律神経を整える作用があるので効果が期待できますよ。

今できることに意識を向ける

あとは、「今できることをする・意識を向ける」です。

できないことはできないのだから、それは誰だって一緒。

妙な比較や競争心が出ても、ちょっと落ち着いてできることをやろう、わからないことは学ぼうと思うといいかもしれません。

ただ、あまりに辛くてそれでもおっつかない場合は、カウンセリング、考えてみてください。

とにかくゆっくりとでもマインドを解放して癒やせば、気持ちも上がってくると思いますよ。

自己攻撃が続いてしまう深層心理を理解する

また、自己攻撃が続いてしまう深層心理を理解することも有効です。

自分自身を責める自己攻撃って、いわば辛い感情を感じないようにするという作用以外にも、なにかしらの自分を責めてその価値を貶めることで実現しようとしていることが、無意識レベルに眠っている可能性って否定できないんですよ。

特に、人の役に立ちたい、人のために動くことができる人ほど、自己攻撃を用いて人に貢献しようとしている可能性があると僕は感じています。

ただ、その自己攻撃が続く限り、自分は傷つき続けますし、会社で辛い気持ちを感じつづけることにもなるんです。

だからもう一人で戦わなくて大丈夫。

自分を責めなくて大丈夫。

ただ、どうしてそんな心の動きを見せるのかを見つめて理解することが大切です。

この先はカウンセリングなどを上手に使って自分を見つめていただくことがおすすめですよ。

今日は以上です。

何か参考にしていただければ幸いです。

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